超簡単!不動産投資の税金で知っておくべく5つのこと
不動産投資を検討していて勉強し始めたけれども、「税金がややこしそうだな…」と思っている人もいるでしょう。確かに、不動産投資の場合は「不動産」という現物資産があるので、資産運営に関する経費などもかかり税金の計算はほかの投資よりは複雑です。
しかし、実は仕組みを理解してしまえば簡単であり、そう難しく考える必要はありません。そこで今回は、不動産投資の税金に関して知っておくべき5つのことを解説します。この記事を読めば、不動産投資にかかる税金を理解でき、節税や確定申告に関しても理解することが可能です。
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1.不動産取得時の2つの税金を知ろう
まずは、不動産取得時に発生する以下2つの税金を知りましょう。
- 不動産取税
- 登録免許税
不動産取得税を知ろう
不動産取得税とは、不動産を取得するときに一度だけかかる税金です。この税金は、不動産の引渡しを受けてから半年~1年後に請求されるので、忘れないようにすることが大切です。税率は、それぞれの都道府県の主税局 で確認できますが、東京都の主税局では以下です。
- 不動産取得税=不動産評価額×4%
不動産評価額は固定資産税評価額を利用します。この税額は、不動産仲介会社が固定資産税評価額を基に概算金額を算出してくれるので、その金額を参考にします。
登録免許税を知ろう
登録免許税は、不動産取得の「所有権移転登記」のときにかかる税金です。税率は国税庁で以下のように定められています。
- 不動産取得税=不動産評価額×0.2%
前項と同じく固定資産税評価額を利用するため、不動産仲介会社が提示する「諸費用欄」で概算金額を確認しましょう。
2.不動産所得税を知ろう
不動産取得時の税金を確認したら、次は不動産を運用するときにかかる不動産所得税について、以下の点を理解しておきましょう。
- 不動産所得税は収益にかかる税金
- 不動産所得で重要な「経費」の一覧
- 総合課税はほかの所得と合算する
不動産所得税は収益にかかる税金
不動産所得税とは、不動産投資で得た収益(≒所得)にかかる税金であり、不動産所得の計算式は以下になります。
- 不動産所得=年間家賃収入-年間経費
仮に、不動産投資の運用が上手くいかずに赤字になる場合には、不動産所得税はかかりません。
不動産所得で重要な「経費」の一覧
前項で紹介した「年間経費」とは、以下のように物件運用にかかる費用になります。
- ローンの金利部分
- 管理費用・修繕積立金
- 入居者が退去したときの補修費用
- 管理会社へ支払う手数料
- 保険(火災保険や地震保険)
- 交通費
- その他雑費
- 減価償却費用
経費は不動産所得税に置いて重要な支出になるので、以下より概要を見ていきましょう。また、減価償却費用だけは節税と大きく関連する部分なので、次項で個別に解説していきます。
ローンの金利部分
不動産投資ローンで物件を購入した場合は、返済金額のうち金利(利子)部分だけ経費として計上できます。借入している金融機関から「ローン償還表」をもらっていると思うので、その償還表で金利部分の金額は確認できます。
管理費用・修繕積立金
この金額は、区分(一室)マンションを所有しているときに発生します。区分マンションの場合、そのマンションごとに管理費と修繕維持積立金が決まっているので、その金額も経費計上可能です。
入居者が退去したときの補修費用
入居者が退去したときには、補修費用やクリーニング費用が発生する場合があります。そのオーナー負担金額分は経費として計上可能です。
管理会社へ支払う手数料
一般的に、不動産投資をするときは、以下のような物件管理は管理会社に任せます。
- 入居者の募集
- 入居者の内見立ち合い
- 入居者との賃貸借契約
- 家賃滞納時の対応
この管理手数料も経費計上可能です。通常の手数料は家賃の2~3%程度であり、サブリース(空室保証)は家賃の10%程度が相場でしょう。
保険(火災保険や地震保険)
物件には火災保険や地震保険を設定できます。火災保険はローンを組んでいれば必須加入で、地震保険は自分の判断で設定するかどうかを決めることができます。
交通費
物件の確認や運営管理に関する打ち合わせなどの交通費も、経費として計上することは可能です。
その他雑費
その他雑費とは、例えば以下のような費用です
- 税理士への報酬
- 書籍代
- セミナーへの参加費用
確定申告を税理士に委託するなら、その税理士に支払う報酬も経費です。また、物件運営に関連する書籍やセミナーなどの参加費用も経費になります。
総合課税はほかの所得と合算する
不動産所得は総合課税というルールが適用されます。総合課税とは給与所得や事業所得と合算できる所得になります。例えば、以下のようなパターンで所得額を計算してみましょう。
- 年間家賃収入:150万円
- 年間経費:70万円
- 給与所得:600万円
この場合、不動産投資をしていなければ給与所得の600万円に税金がかかります。しかし、不動産投資をする場合は合算するので、「給与所得600万円+(家賃150万円-経費70万円)=680万円」の所得に税金がかかります。
3.不動産所得税の節税効果について知ろう
次に、前項の「経費」で触れた減価償却を含む、不動産投資における節税について解説していきます。1つは前項の不動産所得の節税ですが、その後に相続税の節税にも触れていきます。
減価償却費用による節税
まずは、減価償却費用による節税について以下を理解しましょう。
- 減価償却費用とは?
- 減価償却の計算式
- 減価償却費用の計算例
- 減価償却費用の計上期間の違い
減価償却費用とは?
そもそも減価償却費用とは、物件を取得した費用を何年かに渡って計上できる経費となります。減価償却は建物部分に適用されるので土地には適用されません。
一度物件を取得すれば、その物件は自動的に減価償却費用を経費計上できるので、不動産所得を減らしてくれます。そのため、結果的に不動産所得税の節税につながるという仕組みです。
減価償却の計算式
そんな減価償却費用の計算式は以下の通りです。
- 減価償却費用:建物購入代金×償却率
上記の償却率に関しては、以下のように 構造(耐用年数)によって異なります。
- RC(鉄筋コンクリート造):償却率0.022(耐用年数47年)
- 重量鉄骨:償却率0.030(耐用年数34年)
- 木造:償却率0.046(耐用年数22年)
減価償却費用の計算例
例えば、木造の物件で建物価格が2,000万円の場合、減価償却費用は「2,000万円×0.046=92万円」になり、この金額が経費計上可能です。
減価償却費用の計上期間の違い
前項のように、減価償却費用は高額になるケースもあり、節税効果は大きいです。しかし、減価償却費用はいつまでも計上できるわけではなく、築年数と耐用年数のバランスで異なります。
築年数が耐用年数を超えている場合には、「計上期間=法定耐用年数×0.2(端数切り捨て)」です。例えば、重量鉄骨造の場合には耐用年数は34年なので、築34年超の重量鉄骨造の建物は「34×0.2=6年」が計上期間です。
一方、築年数が耐用年数を経過していない場合は「計上期間=(法定耐用年数-築年数)+築年数×0.2(端数切り捨て)」です。仮に、耐用年数34年の重量鉄骨造で、築15年の物件を購入したら「計算式(34年-15年)+15年×0.2=22年」が計上期間です。
不動産投資は相続税の節税にもつながる
前項までは不動産所得の節税についてでした。不動産投資は「節税効果が高い」と良く言われる投資ですが、それは不動産所得の節税だけでなく相続税の節税にもつながるからです。
相続税の成り立ち
相続税率は国税庁で以下のように決まっています。
相続税評価額 | 税率 | 控除額 |
---|---|---|
1,000万円以下 | 10% | - |
3,000万円以下 | 15% | 50万円 |
5,000万円以下 | 20% | 200万円 |
1億円以下 | 30% | 700万円 |
2億円以下 | 40% | 1,700万円 |
3億円以下 | 45% | 2,700万円 |
6億円以下 | 50% | 4,200万円 |
6億円超 | 55% | 7,200万円 |
※横スクロールできます。
例えば、4,000万円の現金を持っていれば、「4,000万円×20%-200万円=600万円」が相続税になります。不動産の場合、現金で持っているよりも「相続税評価額」が7割程度まで減額されるというメリットがあります。
つまり、4,000万円の不動産を購入すれば2,800万円程度まで評価額が下がるので、「2,800万円×15%-50万円=370万円」が相続税額です。ただ、どのくらい評価額が下落するかは物件によっても異なるので、あくまで目安として理解しておきましょう。
4.譲渡所得税を知ろう
次に、不動産を売却したときの譲渡所得について以下の点を理解しておきましょう。
- 譲渡所得税は売却時の税金
- 譲渡所得税の税率は保有期間で異なる
- 3,000万円の特別控除は利用できない
不動産投資のメイン収益は家賃収入ですが、将来的に物件を売買することもあります。その際は、この譲渡所得税が適用されます。
譲渡所得税は売却時の税金
譲渡所得税は不動産売却時の利益にかかる税金であり、譲渡所得は以下の計算になります。
- 譲渡所得=(売却価格-売却時にかかった諸費用)―(購入時の不動産価格+購入時にかかった諸費用-減価償却費用)
上記のように、単純に「売却価格-購入時価格」ではなく、諸費用や減価償却費も加味する点がポイントです。
譲渡所得税の税率は保有期間で異なる
前項で算出した譲渡所得にかかる税率は、以下のように保有期間によって異なるので注意しましょう。譲渡所得税は、上述した不動産所得のような総合課税ではなく、分離課税というルールが適用されます。分離課税とは、ほかの所得とは合算せずに、単体で算出する税金です。
長期保有の税率
長期保有とは、その物件を売却した年の1月1日時点で、物件の保有期間が5年超の物件です。そのときは以下の税率になります。
- 所得税:譲渡所得額×15%
- 復興特別所得税:上記の所得税額×2.1%
- 住民税:譲渡所得額×5%
短期保有の税率
一方、その物件を売却した年の1月1日時点で、物件の保有期間が5年未満の物件は短期保有になり以下の税率になります。
- 所得税:譲渡所得額×30%
- 復興特別所得税:上記の所得税額×2.1%
- 住民税:譲渡所得額×9%
3,000万円の特別控除は利用できない
自宅を売却した経験がある方は、「3,000万円の特別控除」という税制優遇を聞いたことがある人もいると思います。3,000万円の特別控除とは、譲渡所得から3,000万円控除(マイナス)できる制度なので、譲渡所得が3,000万円以下であれば非課税になります。
一般的に、不動産価値は築年数と共に下落するので、個人の売買で3,000万円の譲渡所得が発生する機会は少ないでしょう。そのため、自宅を売却するときは、3,000万円の特別控除を利用して非課税になるケースが大半です。
しかし、この税制優遇は「自宅」を売却することが前提であり、投資用不動産の売却時は適用されません。たまに3,000万円の特別控除を利用できると勘違いしている方もいるので、その点は十分注意しましょう。
5.確定申告について知ろう
最後に、税金を納税するために必要な確定申告について以下を理解しましょう。
- 不動産投資は基本的に確定申告が必要
- 確定申告する時期と方法
- 確定申告をしないリスクは大きい
不動産投資は基本的に確定申告が必要
不動産投資をしているときは、基本的に確定申告は必要と思っておきましょう。上述したように、不動産所得はほかの所得と合算する必要があるので、給与所得や事業所得と一緒に計上します。
仮に、減価償却費用などの関係で赤字になれば、その赤字分は所得から差し引かれて税額は安くなります。給与所得の場合は税金を源泉徴収されているので、安くなった税額は還付されるという仕組みです。
確定申告する時期と方法
確定申告は、毎年2/15~3/15が提出期間ですが、休日が被る場合は違う日になるので確認しておきましょう。仮に、2018年1/1~12/31までの税金は、翌2019年2/15~3/15が確定申告の期間になります。
確定申告は国税庁の確定申告作成コーナーを利用して書類作成する方法が最も簡単でしょう。
そして作成した書類は以下の方法で提出します。
- 直接税務署に持ち込む
- 税務署に郵送する
- ネット上から送信する
確定申告をしないリスクは大きい
確定申告をしない、もしくは期限までに確定申告しない場合は、以下の追加徴税が発生します。
- 無申告加算税
- 延滞税
無申告加算税
無申告加算税は、確定申告の期限までに確定申告しない場合の税金で、税率は以下の通りです。
・納付すべき税金の50万円まで:15% ・50万円を超える部分:20%
例えば、納付すべき所得税が100万円であれば、「50万円×15%+(100万円-50万円)×20%=17.5万円」が無申告加算税になります。
延滞税
延滞税は、期限内に確定申告は行ったものの、税金の納付に遅れた場合です。延滞税は延滞した期間分だけ税金が発生し、計算は非常に複雑なので国税庁ホームページを参考にしましょう
まとめ
このように、不動産投資に関しては物件取得時・物件運営時・節税について学べば問題ありません。確定申告も最初は少々手間がかかるかもしれませんが、2回目からはスムーズにできるでしょう。
物件取得時の税金は仲介会社が提示しますし、不動産所得に関しては心配なら税理士に相談しておきましょう。いずれにしろ、上述した内容を理解しておき、納税するときに再度見直す形で問題ありません。
最後に、不動産投資で確実に成功するためには情報収集が大切です。 たった1分の申し込みで複数社の比較ができるOh!Yaの一括資料請求を是非活用しましょう。