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かぼちゃの馬車事件の全て!運営元スマートデイズについても詳しく解説

By Oh!Ya編集部

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かぼちゃの馬車事件の全て!運営元スマートデイズについても詳しく解説

2018年に世間を賑わせたニュースの中に、「かぼちゃの馬車事件」「スルガ銀行の不正融資」という2点を思い浮かぶ方も多いのではないでしょうか?特にスルガ銀行の不正融資に関しては、連日ニュースで報道されていました。

しかし、意外とこの事件の概要を知らない方も多く、実際自分にどのような影響があるのか分からない方も多いのではないでしょうか?そこで今回は、かぼちゃの馬車事件とそれに関連するスルガ銀行の不正融資について解説し、どのような影響があるかも合わせて説明します。

この記事を読めば、これらの事件の概要を理解することができ、具体的な影響とその影響への対策を理解できるはずです。

かぼちゃの馬車事件の概要とは?

まずは、そもそも「かぼちゃの馬車事件」とは何か?という点を解説していきます。後述しますが、かぼちゃの馬車事件によって、個人の不動産投資家にも影響が出る可能性あるので、概要は頭に入れておきましょう。

スマートデイズはシェアハウス事業者

かぼちゃの馬車事件に登場する主な会社は、スマートデイズという不動産会社です。スマートデイズは、東京都中央区銀座に本社を置いていた不動産会社で、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」や男性向けシェアハウス「ステップクラウド」のサブリース事業を展開していました。

そのスマートデイズが経営不振になり、結局は破綻に追い込まれる過程で今回の「かぼちゃの馬車事件」が起こります。

今回の事件の鍵はサブリース契約

今回の事件の鍵は、スマートデイズが「サブリース業者」であることです。ここでは、かぼちゃの馬車事件の概要をつかむために、サブリース契約について解説していきます。

サブリース契約とは何か?

サブリース契約とは、以下のような流れの契約形態です。

  • 投資家はサブリース業者とマスターリース契約を結ぶ
  • サブリース業者は一般個人を募集
  • サブリース業者と一般個人で賃貸借契約を結ぶ

マスターリース契約もサブリース契約も、呼称は違うだけで通常の「賃地借契約」と思って問題ありません。つまり、サブリース契約にすると、投資家は一般個人ではなくサブリース業者と賃貸借契約を結ぶというわけです。

そして、その後は通常の賃貸物件と同じく、一般個人の賃貸検討者を募集し、サブリース業者と一般個人で賃貸借契約を結ぶという流れになります。

投資家にとってのメリットとデメリット

サブリース契約を結ぶ投資家のメリットは、基本的に空室保証があるということです。サブリース契約の場合、投資家が賃貸借契約を結んでいるのはサブリース業者になるので、空室時でも賃料収入をサブリース業者から受け取れます。

一方、デメリットはサブリース業者によって異なりますが、概ね家賃の10%前後という高い管理費が取られることです。サブリース契約以外であれば、管理会社に支払う手数料は家賃の2~3%です。サブリース契約は空室保証がある代わりに手数料が高くなります。

また、サブリース契約の場合には、更新料や礼金もサブリース業者が受け取るなど、通常の管理会社とは異なる決まりもあります。いずれにしろ、「収益が減る」という点がサブリース契約のデメリットです。

スマートデイズが展開していたサブリース

スマートデイズが展開していたサブリースは以下の通りです。

  • 個人投資家にシェアハウス(かぼちゃの馬車)の建築を提案
  • 投資家は融資を受けてスマートデイズ主導の元でシェアハウスを建築
  • そのシェアハウスはスマートデイズが一括でサブリース契約

このように、投資家にシェアハウスを建築させ、その物件をスマートデイズがサブリース契約することで収益を上げるというビジネスモデルです。

投資家からすると、シェアハウスを建築するコストはかかりますが、スマートデイズがサブリース契約してくれるので、安定した家賃収入を挙げられるメリットがあります。

スマートデイズ破綻で投資家が受けた影響

さて、そんなスマートデイズは2018年4月9日に民事再生法の適用を申請し、結局棄却されて負債総額60億円超で破綻しました。一見、投資家からすると「管理を依頼していた業者が破綻した」というだけなので、そこまで大きな問題にはならないようにも思います。

スマートデイズが客付けに失敗した

この事件の問題は、スマートデイズが客付けに失敗したという点にあります。上述のようにサブリース契約を結んでいると、投資家はサブリース業者から賃料を受け取ります。しかし、サブリース業者からすると、一般個人と賃貸借契約を結ぶことで、はじめて家賃収入が発生します。

言い換えると、一般個人の客付けに失敗すると、スマートデイズは単に賃料を支払い続けるという状態です。そして、スマートデイズは計画通りに客付けすることができなかったので、空室状態にも関わらず投資家に賃料を支払うことになりました。

スマートデイズからの支払いがなくなる

このような状況のため、当然ながらスマートデイズの資金力は尽きてきます。やがて投資家に賃料が支払われなくなり、その状態が数か月つづいたところで破綻になるというストーリーです。

投資家からすると、「サブリース業者という空室保証があるからこそ億単位のお金のローンを組んでシェアハウスを建築したのに…」という状態です。

スマートデイズから賃料収入がもらえない中でもローンの支払いは毎月発生しているので、資金繰りに苦労した投資家もいるでしょう。これが、かぼちゃの馬車事件の概要であり、投資家が受けた被害になります。

スルガ銀行はどのように関係していたか?

銀行

かぼちゃの馬車事件にはスマートデイズ以外にスルガ銀行も話題に上がりました。スマートデイズが破綻してからは、むしろスルガ銀行の方が話題の中心だったほどです。

そして、実はスルガ銀行の不正こそが個人投資家に直接影響し得る点になります。そのため、今回の事件とどのように関係していたのか?どのような不正をしたのか?を理解しておきましょう。

シェアハウスの融資を担当

スマートデイズのビジネスモデルは、個人投資家にシェアハウスを建築してもらうところから始まります。そのため、その「融資」を担当してくれる金融機関が必要であり、その担当金融機関がスルガ銀行でした。

前項のように、スマートデイズの破綻を受け、投資家は融資の返済が困難になったので、被害弁護団が結成されてスルガ銀行に対して金銭消費貸借契約(ローンの契約)の撤回を要求しました。これは、スマートデイズとスルガ銀行が組み、投資家に無理なローンを組ませたという疑いからです。

しかし、スルガ銀行は「答えられない」という回答をして、過失を認めず金銭消費貸借契約の撤回にも応じませんでした。

融資審査の不正が発覚

しかし、結局は以下の経緯で融資審査に不正があったことが発覚します。

  • 現預金額の改ざんなどで資金を水増ししていた疑いがかかる
  • 金融庁はスルガ銀行とスマートデイズが結託していたと指摘
  • 金融庁がスルガ銀行に立ち入り調査

この一連の流れによって、結局スルガ銀行は融資書類の改ざんなどに、相当数の社員が関わっていたことを認めました。

本来否決になる案件を承認

投資家が銀行から融資を受ける場合には、通常は以下のような点を審査されます。

  • 投資家の年収や貯蓄
  • 投資家の勤務先の規模や勤続年数
  • 過去の延滞履歴の有無などの信用情報
  • 物件の収益性

つまり、前項で解説した「現預金の水増し」などをすることで、本来否決になる案件を「資金的に余力あり」という理由で承認したということです。

また、スマートデイズは相場より高い金額でシェアハウスを建築していたので、投資家にとっては不正に審査に承諾させられ、相場よりも高い不動産を買わされたという状態です。

銀行内では不正は常態化

そもそも、本来否決になる案件ということは、銀行からするとデフォルト(債務不履行)になる可能性があるということです。しかし、それでも無理やり融資の審査に通すため書類を改ざんしたのは、会社側が営業マンに厳しいノルマを与えていたという点が背景にありました。

つまり、営業マンが会社から課せられている目標達成のため、自行内の審査部を騙して融資を引っ張っていたということです。この不正が明るみになったことで、経営陣が退陣しスルガ銀行の株価は暴落となります。

不動産投資のローンに大きな影響がある

ローン

ここまでで、かぼちゃの馬車事件の概要、そしてスマートデイズとスルガ銀行がどのように関わっていたかが理解できたと思います。次に、本題である「この事件によって投資家はどのような影響があるか?」を解説します。

結論からいうと、スルガ銀行の影響でほかの銀行も金融庁からの目が厳しくなり、融資の審査が下りにくくなる可能性があります。

金融庁がスルガ銀行に行政処分

上述した一連の出来事を受け、金融庁は以下のような行政処分をスルガ銀行に下します。

  • 2019年4月12日まで新規の投資用不動産融資を停止
  • 自ら居住に充てる部分が建物の50%以下の住宅ローンも停止
  • すべての役員職に研修を義務付ける

投資用不動産はまだしも、条件付きではありますが住宅ローンも停止するという判断です。また、不正の温床になっていた社内を改革するため、抜本的なコーポレートガバナンスの改革を求められています。

ほかの金融機関にも波及する

これらの一連の事件を受け、スルガ銀行以外の西京銀行や西武信用金庫などにも立ち入り検査が入っています。理由は、スルガ銀行と同じく、投資不動産に関して不正な審査をしてないか?という点です。

また、金融庁は全国の金融機関に対し、2018年10月下旬からアンケートを配布し回答を求めています。内容は、投資用不動産向け融資の実行額・件数・債務者数・加重平均の貸出利回りなどです。

要は、スルガ銀行の不正融資問題を受け、全国の金融機関でも同じような懸念がないかを調査しています。その結果、各金融機関もスルガ銀行の二の舞にならないため、自行内で融資審査を厳しくする可能性があります。

融資の審査が厳しくなることの影響と対策

厳しい

このように、かぼちゃの馬車事件をめぐる一連の出来事によって、今後の投資用ローン審査は厳しくなると予想されます。実際に審査が厳しくなれば、投資家は以下のような影響を受けるでしょう。

  • 物件を購入できない
  • 借り換えがしにくい
  • 積極的に物件情報を獲得できない
  • 不動産価格が下落する可能性もある

融資の審査が厳しくなるのは、実はネガティブな影響だけではありません。ネガティブな影響に関しては対策を知り、ポジティブな影響は最大限活用することが重要です。

物件を購入できない

まずは、当たり前の話ですが融資の審査が厳しくなると物件を購入できないので、そもそも不動産投資をスタートさせられない可能性があります。不動産投資は融資を利用した「レバレッジ効果」に最大の魅力があります。

つまり、自己資金が少額でも融資を利用することで、自己資金の何倍もの資産を持てるのが、不動産投資の最大の魅力です。その融資を利用できない以上、単純に物件取得資金が集まらないので購入に至らない点が最も大きな影響でしょう。

借り換えがしにくい

現在不動産投資している方は、現在の低金利時代のメリットを活かすために、現在借入している銀行から低金利の銀行へ借り換えを検討している人もいると思います。しかし、融資の審査に厳しくなるということは、当然ながら借り換えの審査も厳しくなります。

前項の「物件を購入できない」と合わせての対策は、自分のプロフィールに合った金融機関に審査することです。金融機関によって相性はあるので、その点を加味して金融機関を斡旋してくれる不動産会社を選ぶ必要があります。

そのため、投資用不動産の仲介実績が豊富で、金融機関の特徴も良く分かっているような信頼できる不動会社選びが、今後ますます重要になってきます。

不動産会社から有益な物件情報を獲得できない

不動産投資で物件選びをするときは、あらゆる手段で物件情報を得ます。その中でも、ネットなどでなく不動産仲介会社から直接得る物件情報は非常に重要といえるでしょう。

しかし、融資の審査が厳しくなると、以下の理由で不動産会社からの有益な情報を得ることが難しい可能性があります。

  • 不動産会社は有力な投資家に情報提供する
  • 不動産投資の市場が落ち込む

不動産会社は有力な投資家に情報提供する

1つ目の理由は、不動産会社は有力な投資家に有益な情報を提供するからです。たとえば、収益物件を売りたいという情報が不動産会社に入ってきて、その物件がいわゆる「掘り出し物」であったとき、不動産会社は誰にその情報を提供するでしょうか。

それは、「購入してくれる可能性が高い投資家」です。当然、不動産会社からすると売買を早く成立させた方が良いので、資金が潤沢にあったり、過去に取引事例があったりする方へ情報提供したいからです。

融資の審査に厳しくなるということは、「はじめて不動産投資をする」というような実績のない投資家より、実績がある有力な投資家にますます情報が集まりやすいと考えられます。

不動産投資の市場が落ち込む

全体的に融資の審査が厳しくなるとしたら、投資物件の購入者が減ります。そうなると、不動産市場自体が落ち込む可能性があり、そもそも収益物件の情報量が減る可能性もあります。それは、投資家が情報を得ることを増々難しくするでしょう。

有益な情報を得るための対策

上述したような、潤沢な資金があり、不動産投資の実績があるような投資家はそう多くありません。この記事を読んでいる方の中にも、そのような投資家に該当する方は少ないでしょう。そんなときに、どのようにしたら有益な情報を得られるのでしょうか。

それは、セミナーや個別相談会に出席して、不動産会社とのパイプを太くすることです。要は、自分が物件を購入できると伝え、購入したいという本気度を伝えることが重要になります。

そのため、ネットから物件を問い合わせるだけでなく、積極的に不動産会社が展開するイベントに出席して、信頼を勝ち取ることをおすすめします。

不動産価格が下落する可能性もある

融資の審査が厳しくなるということは、以下のサイクルになることが考えられます。

  • 融資の審査に通らなくて投資用物件を購入できない人が増える
  • 売主からすると「中々売れない」という状況になる
  • 需要減&供給増という状況になる

これはポジティブなニュースでもありますが、需要減&供給増になるということは、不動産価格の下落につながるということです。つまり、今のうちに物件情報を集めておくことで、掘り出し物件に出会える可能性が高くなります。

そのため、少しでも不動産投資を検討しているのであれば、今から情報収集に動いておいた方が良いでしょう。

まとめ

このように、かぼちゃの馬車事件はシェアハウスのサブリース業者が引き起こした事件であり、その事件に派生してスルガ銀行の不正融資が発覚しました。そして、その不正融資によって、「融資の審査が厳しくなる」という投資家への影響につながります。

ただ、投資用物件の需要減&供給増によって、世の中に格安物件が増える可能性もあるので、その点を考えると不動産会社から直接情報を得ておくと良いでしょう。融資の審査は厳しくなるかもしれませんが、早めの情報収集をおすすめします。

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