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REITのリスクって何?初心者でも損をしない銘柄の選び方

REITのリスクって何?初心者でも損をしない銘柄の選び方

投資家から集めた資金を利用し、資産運用会社が不動産を運用・売買。そうして発生した利益を、投資家に分配する金融商品を「REIT」と呼びます。

少額投資が可能で運用の手間も必要ないことから、REITは手軽に不動産市場に投資できる手段として注目を集めています。しかし、メリットが強調される一方で、リスクやデメリットはないのでしょうか?

今回は、想定されるREITのリスクを解説し、損失を阻止するリスク管理の方法をご紹介します。

REITのリスク

初心者 REITは不動産投資と投資信託をあわせた特性をもっており、メリット・デメリットともに両者の特徴を受けついでいます。数多くの魅力をもつ金融商品ですが、投資を始めるまえに注意すべきポイントを確認することも重要。

そこで、投資家のデメリットとなり得る「REITのリスク」に絞って、あらゆる注意点をご説明します。

不動産市場の悪化

投資法人がREITを通じて集めた資金は、資産運用会社が不動産運用に利用します。つまりREITを買うことで、投資家は間接的に不動産運用に携わっていることになるのです。

当然、不動産市場が低迷すれば、資産運用会社の運用成績は減少。投資家に対する分配金は少なくなり、証券取引所での取引価格も下落することが予想されます。

REITは証券という形式で売買されるため、ひとたび不動産市場との関連性を忘れられがちです。しかし、あくまで投資している先には不動産があり、利益の上下は不動産市場とシンクロしていることを忘れてはいけません。

金利変動による収益低下

REITは投資家から集めた資金のほか、融資による借入金を物件運用に利用しています。融資を受けなければ物件の売買はままならないため、たとえ金利上昇により収益率が低下すると判明していても、投資法人は借入をやめることができません。

一方で、REITで扱うオフィスビルや商業施設は、どれも数億~数十億円のものばかり。1%でも金利が上がれば、数百~数千万円ほど支払利息が増えるのです。

そのため、金利上昇時もREITを保有し続ける投資家は、取引価格の下落や分配金の減少に巻き込まれるリスクがあります。

災害による損傷や倒壊

物件は実物資産であるため、自然災害の影響を受けます。REITではリスク管理のために分散投資がおこなわれているものの、損傷や倒壊の状況がひどければ利益減少に直結。金利変動は一過性のダメージで終わる場合がありますが、被災による損失は中長期的に影響をおよぼします。

なお、過去におこった東日本大震災では、各REITの運用物件が優れた耐震性をもっていたため被害は限定的でした。実際に、東証一部上場の全銘柄を合計した「TOPIX」と比較して「東証REIT指数」の下落率は小さかったため、現状では地震に対する耐性は高評価です。

しかし、災害は地震だけでなく台風や火事などさまざま。投資家の保有銘柄は、常に災害リスクにさらされているといえます。

REITの上場廃止

「有価証券上場規程第1218条」により定められた基準をクリアできなければ、該当するREITは上場廃止となります。

設けられている廃止基準の項目は多いため、すべてを覚えることは困難。なかには抵触する可能性が低いものもあるので、以下に現実的な廃止基準として考えられる項目の一例をご紹介します。

「上場廃止となる基準の一例」 ・1~12月までのあいだの売買高が20口未満である ・純資産総額が5億円未満となり、それから1年以内に5億円を超えない ・資産総額が25億円未満となり、それから1年以内に25億円を超えない ・運用資産のうち不動産等の割合が70%未満となり、1年以内に70%を超える見込みがない 出典:(JPX日本取引所グループ「上場制度」を一部抜粋・改編)

流動性が著しく低い場合、財務状況の改善が見られない場合には上場廃止となる可能性が高いです。そのため、過去にこのような状態に陥ったREITに投資することは、特別な理由がなければおすすめしません。

証券取引所が開いているときには毎日売買がおこなわれ、公開情報から資産額に余裕が見られる銘柄が投資先として最適です。

投資法人の倒産

ニューシティ・レジデンス投資法人による日本初の経営破たん以降、法改正により合併に関する条件が緩和されたため、何の対策も打てないまま倒産をむかえる可能性は高くありません。

しかし、金融市場はブラックマンデーやリーマンショックなど、大規模かつ予測が困難な世界恐慌が起こってきました。ニューシティ・レジデンス投資法人の経営破たんも、原因をたどればリーマンショックの余波によるものです。

REITは低リスクな金融商品に分類されるものの、投資法人が倒産する可能性はわずかながら存在することを覚えておきましょう。

リスクの低いREIT銘柄の選定基準

チャート REITと一言でいっても、運用方針や過去実績はさまざま。投資の成功率を高めるためには、多角的に候補先を分析するプロセスが欠かせません。

この項では、銘柄選定の段階で判断材料となるポイントをご説明します。

運用物件の価格変動で選定する

一般的には、価格変動が大きい物件ほどハイリスク・ハイリターン。利益を伸ばすためには、投資するタイミングが重要とされる投資対象です。一方で、価格変動が小さい物件はローリスク・ローリターンで、安定的な運用を目指す場合に適しています。

REITによって扱う物件が異なるため、どのような物件が銘柄に組み込まれているのか確認することで、運用リスクを予想することが可能です。

価格変動が大きい物件

・オフィスビル
・商業ビル
・宿泊施設

オフィスビルや商業ビルは都心を中心に建設されており、契約相手は主に法人です。そのため、法人の資金に余裕が生まれる好景気のあいだ、契約は活発になり売買価格も上昇。オフィスビルや商業ビルを組み込んだREITは、運用成績が右肩上がりになる可能性が高いです。

宿泊施設は、国内外の観光客が増加することで売上が伸びます。そのため、訪日外国人の流入が見込める状況では利益額が上昇。2020年に東京オリンピックを控える現在、宿泊施設関連は注目されているジャンルの1つです。

一方で、景気の悪化や観光客の減少が、利益低下として顕著にあらわれることも事実。これらの物件を扱うREITは、時代の流れを読み取ってこそ利益を最大化できるといえます。

価格変動が小さい物件

・大型商業施設(ショッピングセンター)
・住居系物件
・ヘルスケア施設

商業ビルとは異なり、郊外にあるショッピングセンターのような商業施設は長期契約が基本。契約価格は高くないため利益率は商業ビルに劣るものの、安定的に賃料収入を確保できます。

また、人々の住居や医療は時代をとわず必要とされ、需要がなくなることはありません。住居系物件やヘルスケア施設も決して利益率は高くありませんが、景気変動に左右されることなく利益を獲得できる投資物件として知られています。

過去実績が堅調な銘柄を選ぶ

REITに限らず金融商品の評価を見定めるとき、過去実績は大切な判断材料となります。確認すべきポイントは、「価格推移」と「価格変動幅」の大きさです。

他の金融商品にも利用される「テクニカル分析」を使えば細かく分析できるものの、投資初心者が銘柄を1つずつ分析するのは時間がかかります。そのため、まずは証券取引所から分析対象のページを開いて、「日足」や「週足」と呼ばれるチャートを確認しましょう。

チャートの価格推移から分析

日足や週足チャートが右肩上がりになっていれば「上昇トレンド」と判断できるため、今後も価格上昇が見込めるといえます。もちろん、上昇トレンドはどこかを頂点として下がりはじめるので、右肩上がりの銘柄が必ずしも上昇を続けるとは限りません。

しかし、このように上昇トレンドに乗る方法は「順張り」と呼ばれ、投資の世界では基本的な戦術。もっとも初心者向けな判断方法であるため、まずは順張りを意識して投資先を決める方法がおすすめです。

一方で、右肩下がりになっていれば「下降トレンド」と判断できるため、引き続き価格が下落すると予想できます。下降トレンドにも終わりがあるものの、投資初心者が底値を見極めるのは難しいといわれます。基本的には順張りで銘柄を購入し、反転して下落の兆候が見られれば売却する方法が良いでしょう。

価格変動幅の大きさから分析

上昇トレンドにある銘柄のチャートを見比べたとき、価格推移をあらわす「ジグザグ」の大きさがそれぞれ異なるはずです。これは、どれだけ価格を上下させつつ上昇したのかを示しており、価格変動幅が小さいほど安定して上昇したと判断できます。

順張りでは上昇トレンドのREIT銘柄に投資して、下落の兆候が見られたときに売却することをおすすめしました。しかし、価格変動幅が大きければ下落のタイミングが判断しづらく、下降トレンドへの切り替え後に急落するケースも多々。

価格変動幅が小さければ下降トレンドへの転換も緩やかな場合が多く、売り遅れる可能性が少ないといえます。

大手企業がスポンサーを担う銘柄へ投資する

投資家から集めた資金を運用する「資産運用会社」にはスポンサーがつき、資金提供のほか必要な人員や情報を供給。ありとあらゆる面で、資産運用会社をバックアップします。

そのため、資産運用会社の運用規模はスポンサーに左右され、資本力のある有名企業であるほど大きな利益が期待できるのです。

このとき、不動産市場に関連する企業である方が有利とされ、実際に業界のつながりを利用して優良物件を紹介することも多々。反対に、不動産市場や金融市場に関連しない企業がスポンサーである場合、投資家たちからの評価は高くありません。

なお、複数の企業がスポンサーであるときは、株式保有率が高いほど影響力をもちます。見落としがちな要素ですが重要度は高く、REITの購入前には必ず確認すべきポイントの1つです。

指標から予測するREIT銘柄のリスク

フィンテック REIT関連の情報サイトを参照すれば、FFO倍率やNAV倍率などさまざまな指標が確認できます。これらは、対象銘柄の適正価格や利益率を分析する判断材料の1つです。

この項では、一般的にもちいられる指標の使い方をご説明します。

FFO倍率

複数の投資先を比較して、それぞれの割高・割安を算出する指標を「FFO倍率」と呼びます。

マーケット全体や一部からREIT銘柄1つずつまで、どのような規模の投資先も比較可能。指標の見方は非常に簡単で、比較対象のうちFFO倍率が高いものは割高、FFO倍率が低いものを割安と判断します。

たとえばFFO倍率50の銘柄Aと、FFO倍率20の銘柄Bを比較したとき、銘柄Aは銘柄Bよりも割高。オフィスビル市場とオフィスビルを扱う銘柄1つ、マーケット全体と銘柄1つを比較するときも同様に機能します。

投資対象の投資口価格がもつ適正値を分析し、そのREIT銘柄の割高・割安を判断するための指標が「NAV倍率」です。NAV倍率は1を基準として、1より倍率が高いものを割高、1より倍率が低いものを割安だと判断します。

単体でも機能するものの、分析精度を高めるためにはFFO倍率との併用がおすすめです。

NOI利回り

対象のREIT銘柄がもつ利益率を算出するとき、「NOI利回り」という指標がもちいられます。スコアが高いほど利回りは優れており、運用時のリターンが大きくなると判断します。

ただし、物件が建設されているエリアにより、NOI利回りは左右されるため要注意。地方ほど物件価格の低下によりNOI利回りが上昇し、需要の安定している都市部では物件価格が下がりづらくNOI利回りが低くなります。

つまり、地方の高いNOI利回りは純粋に収益性が高いわけではなく、物件価格を下げなければ買い手が見つからない状況によってもたらされた現象です。投資時点のNOI利回りは高くても、人口減少の深刻化を考えれば優れた投資先とはいえません。

NOI利回りの平均値は4~5%程度であるため、この数値を大きく上回る場合は「需要低下のリスク」が潜んでいないか注意が必要です。

出来高

「出来高」は銘柄の流動性をはかる指標。証券取引所の銘柄情報を参照したとき、日足チャートであれば1日ごとの出来高、週足チャートであれば1週間ごとの出来高が表示されます。

出来高が多いほど取引は活発におこなわれており、買い手と売り手が数多くいることをあらわしています。一方で、極端に出来高が少なければ、ほとんど売買がおこなわれていない状況です。

売り注文を出しても買い手が見つからず、換金できない状態が続くリスクがあるため、基本的には出来高の多い銘柄に投資することをおすすめします。

運用段階でリスクを軽減させる方法

グラフ 選定基準や指標を駆使して投資先を決定し、運用を始めれば投資家にできることはわずかです。この項では、運用段階で実践できるリスク管理の方法をご紹介します。

逆指値注文で下落相場にそなえる

証券取引所では「逆指値注文」と呼ばれるトレード設定が用意されており、これは取引価格に反応して買い・売りを自動発注するシステムです。これを利用して「逆指値売り注文」を出しておくことで、「〇〇円以下になったとき自動で売却する」という運用が可能になります。

一日中マーケットを確認できない兼業投資家は、取引価格が急落し始めてもすぐに対応できません。そのため、事前に逆指値売り注文を設定することで、下落相場にそなえることが重要。

金融商品における失敗事例の多くは、逆指値売り注文の未設定が原因であるため、どれほど面倒に感じても設定すべきポイントです。

他の金融商品と並行して運用する

REITが不動産を取り扱う銘柄である以上、複数の銘柄に分散投資をしたとしても、実質的には不動産市場への集中投資となります。そのため、より効果的にリスク分散するのであれば、REIT以外の金融商品に投資するほかありません。

分散投資に適している金融商品のなか、REITに近いイメージで運用できるものとしては「ETF(上場投資信託)」がおすすめ。銘柄1つで株式や債券など、さまざまな分野に分散投資できる金融商品です。

証券取引所で取引できるため、REITと同様の手順で売買できます。運用にも手間がかからないため、REIT単体へ投資している状態と変わりありません。

不動産市場にのみ投資するのであればREITを保有し、あらゆる市場へ分散投資するのであればREITとETFを保有すれば良いでしょう。

まとめ

日本経済 REITがもつ数多くのリスクや、リスクを軽減させるための選定・運用方法をご説明しました。

REITはリスクが小さい投資手段だといわれるものの、無計画な売買で利益が生まれるものではありません。他の金融商品と同じくメリットの裏にはデメリットがあり、ときには大きな損失を生む可能性をはらんでいるのです。

それを踏まえたうえで各種分析方法を利用し、より利益が期待できるREIT銘柄を探してみてください。

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