【初心者必見】低リスクな投資信託4選と失敗しない選び方
「将来のために、投資を始めたいけれど、リスクが高いものや、いきなり大金をかけるのは怖い。」そう思われる方多いのではないでしょうか?
そのような投資初心者が容易に運用できる金融商品として、投資信託は人気を集めています。
しかし、手軽さを強調したイメージばかり先行して、具体的に「どのような投資信託が初心者向けなのか」という部分は不明瞭なままです。当然ながら、どれに投資しても同じというわけではありません。
そこで今回は、運用先を選ぶときに確認すべきポイントと、おすすめの投資信託をご紹介します。
投資信託はどうして初心者におすすめなの?
投資信託の魅力は「始めやすさ」と「続けやすさ」が両立されている部分にあります。この項では「具体的にどんなメリットがあるの?」という疑問を解消していきます。
少額からコツコツ投資ができる
投資信託は購入費用が少額であり、最低数百円から始められます。そのため、家計への負担を抑えて「貯金のような感覚」で資産運用ができるのです。
口座に投資資金を入れておけば、定期積立による自動的な買付にも対応可能。購入を忘れてしまう事態を阻止できます。
専門家が低リスクに運用してくれる
投資信託を購入すると、投資資金は資産運用のプロ「ファンドマネージャー」に預けられます。そして、投資信託を保有している期間、ファンドマネージャーが投資家に代わって資産運用を行ってくれるのです。
このとき、専門家目線で最適なリスク管理が行われ、投資先は効果的に分散されます。同時に長期運用に欠かせない「リバランス(資産の再調整)」にも対応してくれるので、投資家は投資信託の購入・売却以外、ほとんど手間がかかりません。
投資信託を選ぶときのポイントとは?
投資信託の銘柄数は数千種類もあるため、何の基準も持たないまま選ぶのは困難です。この項では、銘柄選定時に重要な役割を果たす、いくつかのポイントをご紹介します。
購入前に目論見書に目を通す
投資信託を運用する各ファンドは、投資方針や過去実績を記載した「目論見書」を交付しています。
これは、投資信託の説明書ともいえる資料。投資信託がどのような特性を持っているのか、何に投資をしているのかなど、運用に関わる情報を知りたいときに利用します。
少額だとしても大切な資産の預入先となるため、目論見書の内容に目を通して「ファンドの理念」に共感できる投資信託が見つかれば理想的です。なお、投資信託の銘柄数は数千に上るので、あらかじめ証券会社の検索機能で条件を絞り込み、そのうえでランキング上位から読み進めることをおすすめします。
長期運用なら分配回数は少ない方がおすすめ
分配金による定期収入は「投資信託の醍醐味」ともいえる魅力の1つです。
しかし、投資効率の追求を考えるなら、分配のない「無分配型」が最も優れています。なぜなら、無分配型は利益を分配せずに運用資金へ加えることで、次期成績の最大化を図っているからです。
こうして、利益を引き出さずに再投資する手法を「複利」と呼び、複利は長期運用において多大な効果を発揮することで知られています。
長期運用で効果を発揮する「複利」とは?
投資で得た利益を再投資して、加速度的に投資効率を伸ばす手法が「複利」です。
たとえば、元本1,000万円を年利3%で運用するとき、複利と単利では以下のような差が生まれます。
- 複利運用:利益は全て運用資金に合算して再投資
- 単利運用:利益は全て引き出して元本のみで投資
運用年数 | 複利運用 | 単利運用 | 利益差額 |
---|---|---|---|
運用1年目 | 1,030万円 | 1,030万円 | - |
運用2年目 | 1,060.9万円 | 1,060万円 | 0.9万円 |
運用3年目 | 1,092.7万円 | 1,090万円 | 2.7万円 |
運用10年目 | 1,343.9万円 | 1,300万円 | 43.9万円 |
運用20年目 | 1,806.1万円 | 1,600万円 | 206.1万円 |
運用30年目 | 2,427.2万円 | 1,900万円 | 527.2万円 |
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※1,000円以下は省略しています。
初めは小さな差ですが、運用10年目を超えるころには利益率に大差が生まれました。そして、20年,30年と経過するにつれて、複利運用だけが急速に投資効率を伸ばしているのです。
なお、上記では年利3%で計算しましたが、複利は投資先の利回りが高まるほど効果を発揮します。決して侮れない数値を叩き出すため、長期運用で利益を追求するなら複利は積極的に活用すべきでしょう。
毎月分配型は長期運用に不向き
「投資元本を短期間で回収、それ以降はずっと利益」といった誘い文句で、毎月分配型は魅力的な投資先のように紹介されます。
しかし、高利回り商品として人気を集める一方で、投資信託を詳しく知る投資家ほど毎月分配型を避けます。なぜなら、毎月分配型の高い利益率は、利益と元本を同時に分配して実現したものだからです。
つまり、これは投資信託の購入費用が「分配金として一部返金」されている状態。決して運用成績が良いから実現している利回りではありません。元本が削られるため運用利益は小さくなりやすく、複利運用に適した投資信託とはいえないのです。
ファンドの過去実績とベンチマークを比較する
投資信託は長期運用を前提に購入するため、直近の利益率が優れていても短期的な成績であれば意味がありません。そのため、「継続して安定利益を出し続けているか」という部分に着目しましょう。
具体的には、投資信託がベンチマークに設定する「指数(日経平均株価など)」を、過去実績と比較。コンスタントにベンチマーク以上の運用成績を出しているほど、優れた投資信託だと判断できます。
長期運用ならインデックスファンド一択
投資信託は「アクティブ型」と「インデックス型」が存在しており、これらは以下のように正反対の特性を持ちます。
投資信託のタイプ | 運用方針 |
---|---|
アクティブ型 | 利益を追求して「インデックス」より好成績を目指す |
インデックス型 | 安定を重視して「インデックス」に連動させて運用する |
この違いを踏まえて、多くの投資初心者はアクティブ型を選びがちです。
しかし、金融市場の分析を行う「S&P ダウ・ジョーンズ・インデックス」の調査により、短期運用ではアクティブ型が優れたスコアを出したものの、運用の長期化に伴いインデックス型が巻き返していることが判明しました。
この傾向は日米の両市場で確認されているため、長期運用を前提とするならインデックス型をおすすめします。
運用コスト「信託報酬」が低いものを選ぶ
投資信託を保有するにあたり、管理費として「信託報酬」と呼ばれるコストが発生します。
これを「ほんの数%」だと軽視するのは禁物。投資信託は数年単位での長期運用が基本であるため、保有期間が長くなるほど信託報酬は多大なコストになるのです。
そのため、同等の投資信託を比較検討している場合は、より信託報酬が低い投資先が理想的だといえます。
初心者におすすめの投資信託4選!
この項では、前述した選定ポイントを満たしている「優秀な投資信託」を厳選しました。
商品名 | 分配金 | おすすめ度 |
---|---|---|
楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 無分配型 | ★★★★★ |
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド | 無分配型 | ★★★★ |
eMAXIS Slimバランス8資産均等型 | 無分配型 | ★★★★ |
三菱UFJ インデックス225オープン | 年1回分配 | ★★★ |
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なお、運用効率を重視すれば必然的に「無分配型」が多くなるため、別枠として「年1回分配」の三菱UFJ インデックス225オープンも紹介しています。
楽天・全世界株式インデックス・ファンド
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」に100%の運用資金を投資しています。
そのため、実質的には上記ETFを運用することと同義。購入に手間がかかる海外ETFを、投資信託に組み替えて扱いやすくした金融商品だといえます。
2018年11月末時点では「Apple」や「Microsoft」など有名企業が上位に組み込まれており、信託報酬は0.2296%と低コストを維持しています。
複利運用を前提とした低コスト設計
楽天・全世界株式インデックス・ファンドは、「バンガード・トータル・ワールド・ストックETF」の運用で発生した利益を分配せず、そのまま再投資する無分配型の投資信託です。
これにより、分配金の受取時に発生する税金がなくなり、結果として自動再投資を利用するより低コストで運用できます。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
日本以外の先進国を対象として、半数以上を米国株式で構成した投資信託です。
最大の特徴は、購入時と換金時の手数料負担がない点。信託報酬は0.11772%と破格の低コスト設計で、登場以来多くの投資家から支持を集めてきました。
純資産総額は安定して伸びており、チャートから分かるように運用成績は安定的です。
低コスト運用を追求したい投資家におすすめ
やはり、他の投資信託と差別化できる部分は、極めて低い売買・運用コスト。
現在の信託報酬は、たび重なるコスト引き下げにより実現したものであり、投資家たちからは「低コストを追求しているファンド」として認知されています。
また、優れた投資信託を選出する「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year」にも過去連続で選ばれており、そのポテンシャルは高く評価されてきました。
なお、当投資信託も無分配型となっており、複利効果を狙った長期運用向きの設計になっています。
eMAXIS Slimバランス8資産均等型
eMAXIS Slimバランス8資産均等型は、8種類の金融商品を組み込んだ投資信託。国内外の株式・債券をはじめ、不動産市場を扱う「不動産投資信託(REIT)」も組み込まれています。
eMAXIS Slimバランス8資産均等型の構成内容 | 構成比率 |
---|---|
国内株式 | 12.5% |
先進国株式 | 12.5% |
新興国株式 | 12.5% |
国内債券 | 12.5% |
先進国債券 | 12.5% |
新興国債券 | 12.5% |
国内不動産投資信託 | 12.5% |
先進国不動産投資信託 | 12.5% |
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人気商品は米国株式の運用をメインにしたものが多いなか、8種類の金融商品が12.5%ずつ均等に配されている、バランスの良いポートフォリオが特徴です。
幅広い分野を1本でカバーするオールラウンダー
前述した2つの投資信託は、米国株式のIT・金融企業が高比率で組み込まれていますが、当投資信託はあらゆる金融商品が完全に均等な比率で構成されています。
- とりあえず1本だけ投資信託を購入してみたい
- バランスの優れたオールラウンドなポートフォリオが良い
こういった条件を希望している場合には、eMAXIS Slimバランス8資産均等型が最適だといえます。
三菱UFJ インデックス225オープン
当投資信託は前述したファンドとは異なり、日経平均株価に連動するよう設計されています。
純資産総額は1,000億円を超えており、過去の分配実績は安定的。年間0.6696%の信託報酬は決して格安とはいえませんが、ひと昔前であれば最安値に近かった数字です。
分配金がある投資信託としては、全体的にバランスの取れている投資先だといえるでしょう。
分配金を目的に運用するなら有力候補
複利効果を狙うなら、無分配型の投資信託が低コストかつ効率的。しかし、これらは分配金を設定していないため、投資に対するリターンが実感しづらいといえます。
三菱UFJ インデックス225オープンは、まさにそういった不満を持つ投資家に適した選択肢なのです。信頼性が高く実績も確か、年1回分配の投資信託としては全てにおいて高水準を実現しています。
まとめ
投資信託は数多くの銘柄が存在しますが、全てが投資初心者に向いているわけではありません。
むしろ、雑誌やネット広告で持ち上げられている「毎月分配型」は、複利運用の真逆であり長期運用との相性は最悪。少なくともメインで投資する投資信託には不向きだといえます。
複利を最大限活用して、長期運用によりコツコツ資産拡大を進めるなら、過去実績とコスト面が優れたインデックスファンドがおすすめ。さらに、無分配型か年1回分配が望ましいです。
また、なかなか決められない場合は、ご紹介した投資信託を選べば安定した成績が期待できます。損をしても傷口が広がらないように、まずは少額から始めてみてください。