大企業でもリストラ続出!会社員が人員削減に備える3つの方法とは?
By Oh!Ya編集部
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テレビやネットニュースを開くたび、人員削減や早期退職といった、リストラに関連する言葉を見る機会が増えてきました。
なかには一方的で理不尽な内容もあり、いつか自身もニュースで見るような境遇に陥るのではないかと不安になるものです。リストラに対して、私たちが自発的に取れるアクションはないのでしょうか?
今回は、日本国内で相次ぐリストラ事情、およびリストラに備えて私たちができることを解説していきます。
増え始めた日本企業のリストラ事例
ひと昔前までは常識であった「大企業に入社すれば安泰」という価値観は、過去のものとなりつつあります。事実、誰もが知っている大手企業ですら、早期退職者を募って人員削減を進めているのです。
その実態がどのようなものであるのか、日本企業のリストラ事例をいくつかご紹介します。
日本の半導体を支えた「東芝」は7,000人規模でリストラ
大手電機メーカーである東芝は、2018年11月に公表した「東芝Nextプラン説明会」にて、5年のうちに7,000人を削減するとしました。以降、数百人単位での早期退職が行われており、2019年時点ですでに1,000人を超える人員削減が進んでいます。
なお、朝日新聞の記事「東芝系社員、退職拒み単純作業「追い出し部屋」と反発」によれば、早期退職を拒んだ社員たちは、多忙な単純作業を担う部署に配属されている模様。これを、退職を促すための措置だと非難する意見も挙がっています。
「富士通」も構造改革を迫られ早期退職・配置転換を実施
国内トップのITベンダーとして知られる富士通は、2019年に2,850人の人員削減を発表。2020年を目途にして、5,000人規模の配置転換を実施する方向で構造改革を進めています。
グループ会社へ人員を再配置するにあたり、人事・経理・総務といった間接部門を対象に、営業やエンジニアなど「IT事業の収益に繋がる部門」への転換を促進しているようです。
今後は、現在のコア事業ともいえるITサービスにリソースを集め、より専門的な人材の育成・活用に注力していく方向に進んでいます。
45歳以上をリストラ対象とした大手電機メーカー「NEC」
日本を代表する電機メーカーの1つであるNECも、大規模な人員削減を発表。2000年代に突入してから、すでに1万人以上ものリストラを実施してきたものの、収益が改善しなかったため2018年度には再度3,000人の人員削減を打ち出しました。
高給を受け取ってる45歳以上が狙い撃ち状態となり、スキル面での貢献が難しい人材は早期退職を促されているようです。
一方では、より優秀な人材確保を目的として、年収1,000万円超を条件に新卒採用をする制度を導入。従来の年功序列制度ではなく、実力に応じた賃金制度を取り入れることで、新体制の構築を目指す動きが見られます。
「エーザイ」や「アステラス製薬」などの製薬会社も続々とリストラ
後発医薬品の普及、海外進出に適した人材の入れ替えなど、さまざまな背景を理由に各製薬会社ではリストラが進んでいます。
近年ではエーザイやアステラス製薬を筆頭に、大正製薬や大日本住友製薬など、名のある企業が揃って人員削減を発表。早期退職の応募人数は数百人単位となっており、いずれも大規模なリストラ事例となりました。
リストラに備えて私たちができることとは?
前述したような人員削減に関するニュースの数々を見れば、もはや大手企業に勤務していても安泰とはいえないのだと分かります。とはいえ、人員削減そのものに対処する術はないため、一見すると私たちに取れる手立てはないようにも思えます。
私たちは、リストラに備えてどのように対策すれば良いのでしょうか?
副業を始めて収入源を分散させておく
リストラされることの恐ろしさは、「収入が突然なくなる」ことにほかなりません。そういった不安を払拭するために有効な対策として、1つは副業が挙げられます。
近年、副業を解禁する流れが強くなっており、副業で収入を得るためのノウハウがネット上に続々と公開され始めました。空き時間にバイトをして時間を切り売りするのではなく、本業で身に付けたビジネススキルを活かせる副業も多々あります。
当メディアの記事「おすすめ副業5選!令和元年から始めたい定番サイドビジネスはコレ」でも、サラリーマンにおすすめできる副業を解説しているので、本記事とあわせてご参照ください。
再就職できるよう自身の市場価値を高める
終身雇用制の維持が難しくなりつつあるなか、外部から見た人材の市場価値である「社外評価」は、社内評価以上に重要になってきました。
社外評価が高いサラリーマンは、いまの勤務先にとって手放したくない存在となり、たとえリストラにあっても再就職に困らないからです。再就職が容易な状況であれば、収入が途絶える期間は一時的であるため、それほど恐怖は大きくないはずです。
では、社外評価と密接に繋がる市場価値は、どのようにして高められるのでしょうか?
勤務先・取引先のビジネスモデルの理解に努める
市場価値の高い人材とは、経営者や経営に近しい人物から求められるような人材です。つまり、自社のビジネスモデルを理解したうえで、利益を高められる提案・行動ができる人材こそ市場価値が高いのだといえます。
また、営業に携わる立場になるなら、取引相手のビジネスモデルを深く知ることも重要です。自社の商品やサービスを売り込むとき、そのプロダクトの良さだけを伝えても取引相手の心には刺さりません。
なぜなら、取引相手の多くは質の良いプロダクトではなく、自社に利益をもたらすプロダクトを欲しているからです。そのため、プロダクトを売り込む際には、勧める商品・サービスが「取引相手のビジネスにどう作用するのか」をPRすることが重要なのです。
こういった理由から、雇われの身であっても経営論やビジネスモデルの構築を扱った、経営者向けのビジネス書籍の内容に触れることをおすすめします。
斜陽産業を避けて成長分野に身を投じる
若く勤続年数が浅いうちは、上司に支持されるままに手を動かして、ただ毎日のルーティンをこなすような状態に陥るケースも多いです。しかし、ビジネスモデルを理解しようと努めれば、以下のようなビジネスの大枠をイメージできるようになります。
- どういった構造で利益が発生しているのか
- 顧客層・取引単価はどれくらいなのか
- 業界全体の未来は明るいのか
自身の市場価値を探るうえで重要なのは、上記のうち「業界全体の未来は明るいのか」という部分です。いま急速に発展している業界で仕事をしていれば、自ずと市場価値は高まっていきます。その最たる例が、ITやAIといった分野です。
IT・AIを扱う企業に勤務し、第一線で実務経験を積んだ人材は重宝されており、多くの企業がこういったスペシャリストを自社に加えたいと考えています。
前述した富士通を筆頭に、リストラという手段で人件費を削りつつ、IT・AIに強い人材を育成・雇用するとを公表する企業も増えてきました。
そのため、現在の勤務先が市場価値を高めづらい環境であれば、今後のキャリアプランを再考して「転職で成長分野に身を投じる」という選択も賢明な判断だといえます。
投資を始めて「資産収入」獲得のため体制を作る
サラリーマンとして働きながら副業を始めたり、市場価値の向上を意識したりすることは、決して簡単ではなく容易にできることではありません。そのため、これらの方法を苦手だと感じるサラリーマンも少なくないようです。
こういった場合は、投資にお金を投じることで、資産収入を得られる体制作りに努めることをおすすめします。副業で本業の給与と同程度の収入を作ることや、ピンポイントで自身の市場価格の向上させることは難しく、再現性が高いとはいえません。
しかし、投資は基礎知識の習得と金銭管理さえ怠らなければ、高確率でいまよりも経済状況を豊かにできます。さらに、収入の大きさは割いた労力・時間に比例するわけではなく、一度体制を作れば中長期的に「運用している資産」が利益を生んでくれるのです。
こうして、労働集約的な稼ぎ方ではなく、資産を働かせる「資本集約的」な稼ぎ方を身に付けることで、自身が働けなくなった場合の不安は低減します。
リストラに備えるサラリーマンにおすすめの投資とは?
投資といえば、株式投資や投資信託といった選択肢が挙げられるものの、これらは売買益で利益を得るものばかり。毎月のキャッシュフローを豊かにする投資ではないため、収入の柱として頼れるものではありません。
そこでこの項では、サラリーマンが資産収入を構築するにあたり、実践しやすく毎月の収入源として機能する投資をご紹介します。
不動産投資
不動産投資は、賃貸物件を貸し出して家賃収入を獲得する賃貸業の一種。
「入居者からの家賃」という形で毎月収入が振り込まれ、賃貸物件に入居者がいる限り不労収入を得続けられます。また、不動産投資は金融機関から融資を受ければ、自己資金にプラスして大きな投資資金を用意できることも魅力的。
自己資金が500万円だったとしても、融資額をあわせて3,000万円ほど用意すれば経済的独立の道筋が見えます。たとえば、ランニングコストを加味した「実質利回り」が10%の賃貸物件を、3,000万円で購入・運用することで300万円/年の利益を得られる計算です。
勤続年数の長いサラリーマンは返済能力を評価されやすく、金融機関から年収の5~8倍ほどの融資が下りるケースも珍しくないため、上記のシミュレーションも非現実的ではありません。
太陽光発電投資
太陽光発電投資は、発電した電気を電力会社に売却する売電事業の一種。不動産投資と同じく、金融機関の融資対象となる数少ない投資です。
不動産投資との大きな違いは、入居者を必要とせずコンスタントに収入を得られることです。また、太陽光発電投資は表面利回りが10%前後と高い水準ですが、これは太陽光発電を普及させるために施行されたFIT制度によるもの。
FIT制度は「固定価格買取制度」とも呼ばれるもので、これにより電力会社に販売する電気は割高で買い取られています。こうした条件が追い風となり、初期投資額を10年強で回収できる事例が多々ありました。
ただし、投資用として設置する10kW以上の太陽光発電所であれば、FIT制度の期間は設備の運用を始めてから20年と決まっています。20年目以降のFIT制度終了後は、どれほど利益を得られるのか予測できず、著しく利回りが下がる可能性もあることに留意してください。
不動産投資と太陽光発電投資はどちらがおすすめ?
不動産投資と太陽光発電投資は、融資による「レバレッジ効果」が利用できるため、サラリーマンが経済的独立を目指すときに有力候補となる投資です。
ただし、前述したように太陽光発電投資の安定利益が保証されているのは、FIT制度が適用される20年のあいだのみ。20年目以降はどうなるのか予測できず、経済産業省がFIT制度の終了を検討しているというネガティブなニュースもあります。
くわえて、太陽光発電所は資産性が低く、金融機関から担保価値を評価されづらいため、副収入源を大きくするため事業拡大を目指すうえでやや不利です。
FIT制度が優遇されていた2010年前半ならともかく、リストラに備えて「本業と同程度の収入を確保する」という目的でいまから始めるのであれば、不動産投資が有力候補になると考えられます。
まとめ
大企業のリストラ事例は年々増加しており、今後は中小企業にまで影響が波及することも懸念されます。そうなれば、本記事で解説したような「リストラに備えるアクション」が、大多数のサラリーマンに必要となるでしょう。
私たちの脳は、リスク認知のバイアスという心理作用が働いており、経験したことのないリスクに対して鈍感です。そのため、リストラのニュースを見ても他人事のように思えて、真剣に焦ることがないのです。
備えのない状態でリストラされてしまえば生活は困窮し、特に家庭を持っている場合はさまざまな経済的問題が起こります。このような最悪な状況を回避するためにも、昨今のリストラ事例を「明日は我が身」と捉えて、少しずつ対策することをおすすめします。