レバレッジのメリット・デメリットを大解剖!どのような投資に使えるの?
By Oh!Ya編集部
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いち早く資産を拡大したいと考えるなら、レバレッジは欠かせない存在となります。レバレッジを利用することで、投資に充てる金額を「自己資金+α」にできるため、同じ利益率でも自己資金のみの運用より大きく稼げるからです。
今回は、レバレッジを利用するメリット・デメリット、およびレバレッジを利用できる投資について解説していきます。
目次
レバレッジとは?
外部の資金である「他人資本」を利用することで、自己資金に対する利益率を高めることをレバレッジと呼びます。
投資の世界におけるレバレッジ投資は、自己資金を証拠金として金融機関・仲介業者から資金を借り、それを投資資金にして行う運用効率を高めた投資のことです。
少ない資金をもとに、より大きな資金を動かすという構図から、レバレッジは「てこの原理」と似たものだと例えられます。
投資家がレバレッジをかけることのメリット
投資に関する記事を読めば、たびたび登場するレバレッジ。一体、利用すればどのようなメリットがあるのでしょうか?
この項では、投資家がレバレッジをかけることで得られる恩恵を解説していきます。
資産拡大のスピードを加速させられる
レバレッジをかけて投資をする最大のメリットは、他人資本を利用することで資産拡大のスピードを飛躍的に高められることです。自己資金の100万円のみを運用する投資家と、レバレッジをかけて1,000万円を運用する投資家では、得られる利益に10倍の差が生まれます。
単純な仕組みですが、純粋に目標達成までのスピードが10倍早くなるのだと考えれば、レバレッジの存在を侮ることはできません。投資資金の運用効率を最大化するにあたり、レバレッジは避けて通れない強力なツールとなるのです。
チャンスの到来にあわせて倍率を調節できる
投資方法によっては、レバレッジの倍率を調節できる場合があります。こういった投資では、チャンスの到来を確信した瞬間にのみ、利益を最大化するためにレバレッジを利用するといったテクニックを使えます。
前述したように、資産拡大を加速させて運用効率を最大化するだけでは、次第にプレッシャーが大きくなるため精神的な負担は計り知れません。
こういった状況に陥らないよう、必要に応じてブレーキとアクセルを使い分けられるという特性は、レバレッジ投資が備えるメリットだといえるでしょう。
投資家がレバレッジをかけることのデメリット
レバレッジは、効果的に利用すれば絶大なパワーをもたらしてくれますが、同時にデメリットも持っています。デメリットを軽視したために、破産してしまう投資家も決して少なくありません。
この項では、レバレッジをかけて投資することのデメリットを解説していきます。
利益の期待値に比例して損失の規模も膨らむ
レバレッジは投資の結果を最大化する一方、利用するタイミングを誤れば損失の最大化を招いてしまいます。レバレッジの利用による運用効率の向上は、安全性とトレードオフの関係になっており、期待リターンが大きいほど損失を生む可能性も大きくなっているのです。
レバレッジが利用できる投資は、宣伝文句として「少額で大きく稼げる」と謳っているケースが多いですが、これは必ず稼げることを保証するものではありません。
これを勘違いしたまま投資を始めてしまい、大損を抱えて投資の世界から去っていく初心者も一定数いるため、リスクとリターンの大きさは比例しているのだと覚えておく必要があります。
レバレッジなしの投資を退屈に感じてしまう
大金を動かせるレバレッジを利用した投資は、自己資金のみの運用では達成できないレベルの利益率が期待できるため刺激的です。そのため、一度レバレッジ投資を経験してしまうと、レバレッジをかけずに投資をすることを退屈に感じてしまいます。
こういったスパイラルに陥ってしまい、刺激を求めて徐々にレバレッジの倍率を高めてしまう投資家もいるほど。自制心がなければ、ギャンブル的な資産運用のきっかけになるという側面は、あらかじめ把握しておかなければなりません。
レバレッジをかけられる投資の種類は?
一般的な認知度が低いだけで、レバレッジをかけられる投資は数多くあります。そのなかには、複雑な仕組みで理解が難しいために、勘に頼ってギャンブルのようにトレードされる商品も珍しくありません。
当然、勘に頼ったままでは継続的にリターンを得られないので、理解が乏しい状態は望ましくありませんが、そもそも分かりやすい情報が出回らず勉強する手段がないのです。
そこで、この項ではレバレッジをかけられる投資のうち、利用する投資家が多く情報が出回っているものをご紹介します。
株式投資
証券口座に一定額以上の入金をすることで、株式投資は「信用取引」という制度を利用できます。これは、投資家が保有する現金・株式を担保として、資金や株式を貸し付けてもらえるレバレッジ投資の一種です。
信用取引の種類 | 内容 |
---|---|
信用買い | 現金・株式を担保に「資金を借りて株式を購入できる」 |
信用売り | 現金・株式を担保に「株式を借りて株式を売却できる」 |
どちらの場合も借りた資金・株式は返さなければなりませんが、取引により発生した利益は投資家の資産になります。一般的に、レバレッジの倍率は最大3倍程度に設定されており、証券口座で保有している資産の3倍に相当する資金・株式を借りられる仕様です。
なお、信用取引は資産を借りている状態であるため、借りた資産に対して金利や手数料のような金銭的負担が発生します。証券会社によってコストの大きさは異なるので、レバレッジ投資を行う際は公式サイトから信用取引の利用条件について確認しておきましょう。
FX(外国為替証拠金取引)
FXは、差金決済による通貨の売買を行う投資。証券の受け渡しをせず取引時の差額を利益とする、いわば「国内外の通貨の交換」です。基本的に通貨は価格推移が小さく、レバレッジをかけなければ値動きはほとんどないため、レバレッジの利用を前提としています。
2019年現在、国内の取引業者を利用する場合は、自己資金に対するレバレッジの倍率が最大25倍となっており、レバレッジをフル活用すれば小資本で大きな資金を動かすことが可能です。
ただし、レバレッジ倍率の高さから一攫千金を狙う投資家も多く、FXで大損をする事例が後を絶ちません。また、規制の緩い海外のFX業者では、レバレッジ倍率の最大値を1,000倍に設定しているものもあります。
ハイレバレッジ投資に手を出して、取り返しの付かないケースに至る可能性は高いため、レバレッジをフル活用したFXはおすすめできません。そもそも、数ある選択肢のなかでもFXは特に難度の高い投資方法なので、初心者は選択肢から外した方が無難でしょう。
不動産投資
不動産投資は、金融機関から融資を受けられる数少ない投資方法です。株式投資やFXは、自己資金に対して一定の割合で資金を借りられる仕組みですが、不動産投資の場合は「個人の属性」を中心にレバレッジの倍率が変わります。
具体的には、融資を希望する投資家の職種・年収が優れているほど、多くの融資額を引き出せるのです。融資額を左右する属性については、当メディアの「これを知らずに不動産投資を始めるの?融資額を大きく変える「属性」の秘密」で解説しているので、あわせてご参照ください。
不動産投資は、今回ご紹介したどの投資方法よりレバレッジが大きくなりがちですが、「住まいを提供する」という堅実なビジネスモデルであるため、レバレッジが持つリスクを上手く相殺する構造になっています。
ただし、現預金データの改ざんにより不正に融資を引き出す事例が横行したことから、融資を出し渋る金融機関も少なくありません。決まった制度にもとづいて資金調達をできるわけではなく、レバレッジ倍率が業界のトレンドに左右される点はデメリットです。
レバレッジをかけるなら「不動産投資」がおすすめ
レバレッジをかけられる投資として、3つの選択肢をご紹介しました。これらは、どれもレバレッジを利用できる投資として知名度があり、勉強のために必要な情報も十分にあります。
ただし、兼業投資家として活動するのであれば、3つのうち不動産投資がおすすめです。
株式投資とFXは、レバレッジを「トレードの売買益を増やす手段」として活用します。一方の不動産投資は、レバレッジを「賃料収入を最大化する手段」として、高額な物件を購入するために活用します。
前者は利益を得るためにトレードを繰り返す必要がある、時間の切り売りを伴った「労働集約型」の投資です。しかし、後者は一度資産を購入するだけで、あとは投じた時間に関係なくリターンを得られる「資本集約型」の投資。
両者を比較したとき、金銭的にも時間的にも余裕が生まれるのは、間違いなく不動産投資です。こういった理由から、トレードに多くの時間を割けない兼業投資家は、不動産投資が投資の選択肢として有力なのです。
レバレッジを利用するとき注意すべきポイント
自己資金のみの運用なら、無茶な投資をしても「自己資金をゼロにする」以上に損をすることはありません。
しかし、運用効率を高めるためにレバレッジを利用すれば、自己資金以上の金額を失うこともあるため、投資家は大きなリスクを背負うこととなります。そのため、レバレッジを利用するなら、細心の注意を払って投資に臨まなければなりません。
この項では、レバレッジを利用するときに注意すべき、3つのポイントについて解説していきます。
生活費は十分に確保して一切手を付けない
株式投資やFXは、口座に資金を入れるだけで容易にレバレッジを利用できます。これはメリットであると同時に、レバレッジ乱用の可能性が高まるといったデメリットをはらんでいます。
実際、レバレッジを利用して大損をするケースのなかには、「生活費をレバレッジ運用に充てた」という事例も多々あるのです。トレードで失ったお金を取り戻そうと躍起になり、投資資金以外に手を付けたため損失が膨らめば、取り返しのつかないことになります。
本来なら、レバレッジの有無に関係なく資金管理は慎重にすべきですが、レバレッジを利用するなら一層注意が必要なのだと覚えておきましょう。
むやみにレバレッジ以外の借金を作らない
生活費に手を出す投資家と似たような事例に、「レバレッジ以外に借金を作る」というケースがあります。
たとえば、株式投資なら自己資金に対して3倍のレバレッジが限度ですが、これを超えて投資をするために消費者金融から借入をするのです。そうすれば、借入金を自己資金とあわせてレバレッジ投資に充てられます。
しかし、消費者金融は金利が高く、年率10%以上になる場合も少なくありません。金利以上の利益を獲得しなければ返済の負担が増える一方であるため、消費者金融の利用がさらなる利益に繋がることは少なく、実際には高金利の借入返済に苦しむ場合がほとんどです。
レバレッジ単体でも十分なリスクを取っていることを認識し、むやみにレバレッジ以外の借金を作らないよう注意しましょう。
レバレッジ利用時には最大損失額を予測する
レバレッジを利用すると、予想を超える損失額に膨らむケースがたびたび起こります。自己資金として用意した100万円を、50%まで減らしても損失は50万円です。しかし、レバレッジを3倍にして300万円を投資したとき、資金を50%まで減らせば損失は150万円。
自己資金を超える金額を運用したために、許容できないレベルの損失を失うことは珍しくありません。そして、予想を超える出来事に遭遇したとき、冷静さを失ったまま投資を続けて行動を誤れば、それは連鎖的にミスを招き損失を膨らませる原因になるのです。
こういった最悪の事態を回避するため、レバレッジを利用するときは常に「どこまで損失が膨らむ可能性があるか」を予測したうえで投資することをおすすめします。
くわえて、予測を超えて損失が出たとき、どのように対処するのか事前に考えておけば、むやみに損失を膨らませる心配もありません。
まとめ
他人資本を利用できるレバレッジは、上手く利用すれば資産拡大にスピード感をもたらし、経済的成功まで一気に連れて行ってくれる仕組みです。ただし、リターンの大きさに伴ってリスクを抱えることにもなる、いわば諸刃の剣であることを忘れてはいけません。
生活費に手を出したり、むやみにカードローンで投資資金を作ったりして、取り返しのつかない事態を招かないよう留意してください。