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レントロールの見方を解説!不動産投資で重要な4つのポイントとは?

By Oh!Ya編集部

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レントロールの見方を解説!不動産投資で重要な4つのポイントとは?

不動産投資家のほとんどは、投資対象の良し悪しを見極めるときにレントロールを分析します。レントロールは、ある種「物件の通信簿」のようなもの。

何部屋が埋まっていて、どのくらい収益が発生しているのか、多くの項目がレントロールを参照することで分かります。レントロールを正しく見れるか否かは、物件選定の成否に大きく関わっているのです。

今回は、レントロールの見方と参照するときの注意点について解説していきます。

不動産投資における「レントロール」の役割

間取り 不動産の賃貸借条件を一覧にしたものを「レントロール」と呼びます。

物件の詳しいプロフィールとしての役割を担っており、物件価格や駅までの距離などの表面的な情報ではなく、ネットからは分からない入居者の属性や各部屋の敷金といった情報が記載されています。

投資初心者に向けて執筆されるネット記事や書籍は、レントロールに触れないまま話が進むものも多いのですが、投資の現場においてレントロールは極めて重要な判断材料です。

紙面から分かるリスクを見逃さないようにするため、レントロールに関する知識は深ければ深いほど良いでしょう。

レントロールには何が記載されているの?

レントロールは厳密に決まった形式がなく、大枠こそ共通しているものの細かい項目は場合によって異なります。

以下のような項目が記載されていることがほとんど。情報が不足していれば、随時不動産会社に問い合わせる形でリサーチをすることになります。

項目(一例)読み取れる内容
入居状況現時点で入居者がいるのか否か
利用用途住居として利用されているのか、事務所として使用されているのか
入居者の属性入居者は個人なのか、法人なのか
賃貸面積賃貸している面積は何㎡なのか
賃料設定各戸の賃料設定はいくらなのか
共益費共益費としてどれほど受け取っているか
敷金入居時にどれほど敷金を受け取っているか
契約期間いつから契約を開始したのか

駐車場や自動販売機、太陽光発電設備など追記すべき要素があれば、さらに情報が加わります。なお、レントロールを参照するときは、記載されている情報が全て正確だと判断してはいけません。

本来なら、レントロールに記載されている情報は正しくあるべきですが、少しでも高額な売却価格にしたいために偽の情報を盛り込んでいる場合もあります。

前述したように重要な判断材料ではあるものの、全てのレントロールが買主に対して親切な情報が記載されているわけではないと覚えておいてください。

不動産投資家が注意して見るべき4つのポイント

注目 不動産投資の世界では、売主・買主・仲介業者など複数の利害関係者が入り混じるため、どこかの段階で情報の誇張や隠蔽が行われることは多々あります。

こういったグレーな行為を受けたとき、それだけで不動産投資に失敗するわけではありませんが、自身の利益が本来より少なくなってしまうのは確かです。そのため、不動産投資で利益を最大化するなら、レントロールに誤魔化しがないか見極める必要があるのです。

そこで、この項ではレントロールを参照するときに注意すべき、4つのポイントについて解説していきます。

「入居状況」は入居偽装の可能性に注意して見るべき

まず、入居状況は重要な要素として第一に挙げられます。不動産投資において「空室」があることは最大のリスクであり、収益性に最も関係するからです。

こういった理由から、入居状況は真っ先に見るべき項目だといえます。ただし、なかには「満室の物件は高値で売れる」ことに着目して、入居状況を良く見せるために入居偽装を行うケースもあります。

入居偽装のために入居者を入れる場合、身内を契約人として使うことがあるため、売主と同性の入居者がいるなら注意しましょう。同性の入居者がおり、契約開始が物件の売りに出したタイミングに近ければ、限りなく黒に近いと考えられるため安易な売買は禁物です。

なお、入居状況が良いに越したことはないものの、あえて空室ばかりの物件に目を付けて「入居状況が悪いので価格を下げて欲しい」と交渉することも多々あります。入居者を集める自信があるのなら、入居状況が思わしくない物件を投資候補にするのも有効な手段です。

「入居者の属性」が同一の法人で埋まっていた場合はハイリスク

性別・年齢などの要素も重要なのですが、入居者の属性のうち「個人か法人か」は特に気を付けて見るべきです。一棟マンションやアパートを購入するとき、複数の部屋の契約先が同一の法人になっていた場合は要注意。

基本的に、必ず家賃を納めてくれるため法人の存在は安心材料になるものの、もし法人がその物件から撤退すれば一度に複数の空室が生まれることになります。そのため、総戸数の半数近くの契約先が同一の法人であれば、ひとまず購入を見送るのが無難でしょう。

法人が一斉に退去したことを想定したとき、それでもすぐに空室を埋める見込みがあるのなら購入も検討すべきですが、上級者向けの判断になるためおすすめはできません。

「賃料設定」が相場から乖離していれば危険信号

不動産投資の利回りを決める要素は、大きく3つ挙げられます。

利回りを決める3つの要素
初期投資費用
入居率
賃料設定

初期投資費用は物件価格(および税金)で決まり、入居率はレントロールから読み取れます。このうち、入居偽装の存在は先ほどお伝えしたものの、そのような行為は倫理観が備わっていればまず取らない行動です。

しかし、賃料設定は違います。空室になっている部屋は、一般的に入居者がいる部屋の賃料を平均して求められますが、これは厳密に定められている規則ではありません。

つまり、空室となっている部屋の賃料設定は、わざわざ偽装用のサクラとなる入居者を用意しなくても、表を作るとき簡単に操作できてしまうのです。下記2パターンを想像したとき、後者の「賃料設定の操作」はより罪悪感を覚えず実践できるとイメージできませんか?

  • 高値で売るため、偽装用の入居者を用意して買主と交渉する
  • 「利回りを高く見せたい」と、賃料設定を平均より高くする

こうして悪意なく簡単に操作できるからこそ、賃料設定は注意して見なければなりません。情報操作を見抜く際は、不動産ポータルサイトから似たような条件の物件を複数洗い出し、それらの平均値と賃料設定が乖離していないかチェックするのが王道な方法です。

ほとんど全ての項目は希望に叶っていて、あとは賃料設定だけ問題なければ購入したいという段階なら、現地の不動産会社を複数訪ねて「このくらいの条件なら家賃はどれくらいか」と直接聞き込むのが確実です。

「契約期間」は入居偽装・利回り低下のサインとしても機能する

間取り 最初に挙げた入居状況とあわせて、入居偽装の判断基準になるのが契約期間です。まず、契約期間が物件を売り出し始めたタイミングと一致したとき、怪しいと判断すべきなのは前述した通りです。

このほか、直近半年ほどのあいだに立て続けに入居者が増えている場合も、売主が事前に「数ヶ月後に手放すから空室を埋めておこう」と考えて、フリーレントなど短期的に入居率を高める施策を打っている可能性があります。

一方、実は長期にわたって入居者がいる部屋にも気を付けなければなりません。通常、賃料設定は新築をピークにして、築年数の経過に伴い低下していくものです。しかし、長期的に入居者のいる部屋は、賃料設定の低下が反映されないままであるケースが多々あります。

その部屋の入居者が今後も住み続けてくれるなら問題ないのですが、もしも物件購入直後に退去すれば、賃料設定を適正水準に戻す段階で利回りが低下します。レントロールを参照する際は、こういった視点も忘れないよう留意してください。

要注意!こんなレントロールも信用できない

4つポイントに比べて目に付きづらい注意点として、以下のようなものも挙げられます。

  • 日付が半年以上前のものである
  • 「入居希望者の審査中」という表記が多い

投資家としては、いち早く各項目を見たい気持ちが強いため、レントロールの日付を見落としてしまうケースがあります。このとき、入居状況や契約期間など各項目に違和感がなかった場合、それだけでレントロールをある程度信用してしまうのです。

しかし、そのレントロールが、売主が見せる資料として「最も都合の良い時期」の情報だったらどうでしょうか?レントロールと実態が全く異なり、スタート直後に投資プランが頓挫してしまいます。

また、レントロールの空室に「審査中」の記載があるものも、安易に信用しないことをおすすめします。実際には入居希望者がいないにもかかわらず、あたかも人気があるように思わせて高値で売ろうと考えている懸念があるからです。

こういった悪意が潜んでいるケースは少なくないので、レントロールはできる限り新しいものを要求し、審査中となっているものは空室と同義だと考えるべきです。

レントロールから読み取れない注意すべきポイント

ポイント 利害関係者同士の駆け引きはあるものの、レントロールが重要な判断材料であることに変わりはありません。ただし、取引相手が信用に足る人物であっても、レントロールだけを参考にして投資判断を下すのは禁物です。

なぜなら、投資判断に必要な情報のうち、非常に重要ないくつかの要素はレントロールに記載されていないからです。この項では、レントロールには記載されていない、見過ごしてはいけないポイントをご紹介します。

どのような性格の入居者が住んでいるのか

入居者の性格は、レントロールから読み取れない要素のなかでも、特に重要な事項の1つです。マンションやアパートを運用している場合、一部入居者の性格に難があることを原因に、入居してきた隣人がたびたび退去する可能性もあるからです。

不動産投資の収益性を高めるには、空室を埋めることが大前提であるにもかかわらず、近隣トラブルにより部屋が埋まらないというのは致命的だといえます。そのため、管理している不動産会社や売主から聞き出すことになりますが、スムーズには聞き出せるケースばかりではありません。

まずは、過去の入退去履歴を尋ねて、特定の部屋の入れ替わりが早いサイクルでないかを探り、高確率で疑わしいと分かった段階で「この部屋の入れ替わりが激しい理由は?」と切り出すことをおすすめします。

対象物件の周辺環境について

ポータルサイトの掲載情報やレントロールだけでも、多くの情報を入手できます。これら紙面上のデータだけを見て、ノールック買い付けをする投資家もいますが、資金力のない投資初心者がこれを真似するのは非常に危険です。

なぜなら、住居に求める要素として重要視される「エリア一帯の環境」は、土地勘がなければレントロールだけでは判断できないからです。また、ネット上に掲載されている物件情報のうち、駅までの距離やスーパー・施設の有無が誤っているケースも多々あります。

コンビニに不良がたむろしている、夜間は近隣にある飲み屋が騒がしいなど、特定の時間帯にのみ起こるネガティブな要素も珍しくありません。そのため、理想的な物件を見つけても購入を焦らず、必ず現地に赴いて周辺をじっくりと観察することをおすすめします。

同じ入居者が長期的に住んでいる部屋の内部状況

通常、退去が発生してから入居者を募集するまでの期間に、内装の劣化状況を確認して必要に応じた修繕工事を施します。たとえば、床や壁の黒ずみを落としたり、クロスを張り替えたりといった施工などです。

しかし、長期的に同じ入居者が住み続けている部屋は、こうしたメンテナンスがほとんど入っていません。そのため、長年の生活であちらこちらが劣化しており、退去後の原状回復に大きな金額を要するケースもあるのです。

これも蓋を開いてみるまで事実が分からないため、レントロールから読み取れない情報として知られています。

10年,20年ものあいだ住み続けている入居者がいるなら、退去時はフルリフォームに近い改修を求められる可能性もあるため、それを盛り込んで収支のイメージをしておきましょう。

まとめ

物件の通信簿ともいえるレントロールは、見方を理解することで物件選定の精度を大きく高めてくれます。ただし、今回ご説明したように、レントロールに記載されていることを全て信用するのは禁物。

企業が経営状況を良く見せるため粉飾決算をするように、物件を少しでも高値で売るためにレントロールを偽装する売主は珍しくないのです。これは、明らかに売主側に非があるといえるものの、欺かれたからといって誰かが助けてくれるわけではありません。

つまり、知識を身に付けて、自身で怪しさを見破れるよう勉強しないといけないのです。物件選定の段階からミスを犯さないように、本記事を読み返してレントロールの理解を深めていきましょう。