【10分でわかるiDeCo】老後の生活を支える強い味方にする方法
By Oh!Ya編集部
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金融庁の報告書によって、95歳まで生きるなら年金だけでは足りず、2000万円が不足するということが明らかになりました。もはや年金だけで生活できると思っている方は少ないと思いますが、改めてそれが数値となって明文化されたわけです。
年金だけでは老後の生活が成り立たないとなると、足りない分を自分で何とかしなければなりません。そこで有望視されているのが、iDeCo(イデコ)です。
iDeCoについては「老後資金を構築するのに役立つもの」という漠然としたイメージを持っている方は多いと思いますが、ではどのように活用するべきかということになるとイマイチ分からないという方もおられるでしょう。
そこで当記事では、iDeCoの基本から活用法、メリットを最大化しながら老後資金を構築する方法を解説します。
目次
iDeCoの基本をおさらいしよう
最初に、iDeCoについて最低限知っておくべき基礎知識を網羅しておきましょう。
iDeCoとは?
iDeCoというのは少々特徴のあるネーミングですが、正式には「個人型確定拠出年金」といいます。これだけを見てもイマイチ分からないと思いますので補足をすると、個人が自分の年金を運用方法から選ぶことができる制度と解釈するのが適切だと思います。
ご存知のように、私たち日本人は65歳になると公的年金を受給できるようになっています(要件を満たした人に限る)。しかしこの公的年金の受給額が少なく、このままだと老後破産の状態になってしまうという懸念があります。冒頭で触れた金融庁の報告書でも、改めてそのことが指摘されているわけです。
では、足りない分をどうするか?その答えの一つが、今から解説を進めるiDeCoです。iDeCoは老後に向けて自分専用の年金を払い込み、老後を迎えたらそれを受け取ることができる仕組みです。それだけなら個人年金と変わりませんが、税金面でのメリットが大きく、非課税優遇がある分だけ老後に残すお金を多くすることができます。
iDeCoが登場した背景
日本では初めて登場した仕組みのように捉えられていますが、このiDeCoはアメリカで制度化されている401kという仕組みの日本版です。iDeCoは個人向けの制度として整備されましたが、iDeCoが登場する前から企業版は存在していました。企業型DCと呼ばれ、現在のiDeCoと同様の効果を得ることができます。
しかしこの企業型DCはその制度を採用している企業に勤めている人しか利用できないため、最も老後資金の手当てをする必要性が高い自営業やフリーランスの人たちも利用できる制度を求める声が高まり、iDeCoが登場しました。
公的年金だけでは老後の生活が成り立たない、そもそも年金が今の需給水準を維持できるかも怪しい、平均寿命が延びることで「老後」がますます長くなっている・・・そんな時代背景から、自分の身を自分で守るという精神でiDeCoが注目されているのです。
自分の老後は自分で決めるという考え方の浸透
日本の社会は基本的に、公助の精神で成り立っています。公的年金や健康保険など、国が積極的に国民の生活を支えるような制度を設け、それに加入することで社会全体で相互扶助をしていく考え方です。
これに対して、欧米は違います。自分のことは自分で面倒を見るという個人主義が徹底しており、公的なサービスにあまり期待しません。だからこそ401kなど自助努力をすることが前提の制度があるわけです。自分の老後は自分で設計するというわけです。
iDeCoはそんな自助努力が前提になっている制度なので、日本にもこうした考え方が浸透してきていることが窺えます。新しい価値観が浸透しているというポジティブなものではなく、むしろ公的な扶助が限界にきていることで、否応なく自助努力をし始めているというのが正確なところだと思いますが。
iDeCoはいつから納めていつからもらえるのか
iDeCoは、20歳から加入することができます。そして60歳から受け取りが可能なので、加入できるのは60歳未満の人ということになります。この60際という年齢が、ひとつのポイントです。
なぜなら、公的年金は受給開始が65歳であるため、もし60歳でリタイアをしたら65歳までの5年間は空白期間になってしまいます。iDeCoで個人年金を準備しておけばこの空白期間の収入源になりますし、65歳の受給開始以降は両方の支給を受けることができるため、老後の生活をより安定させることができます。
これは後述しますが、あくまでも老後資金を準備するための制度なので、60歳未満の人がひとたび加入をすると、60歳になるまで解約をしたり受給を始めたりすることはできません。
iDeCoには上限金額がある
iDeCoでは現役世代のうちに毎月一定額を積み立てていくわけですが、これには上限金額が定められています。以下が上限金額の一覧です。
職業、属性 | 上限金額 |
---|---|
サラリーマン(企業年金がある人) | 1万2000円または2万円 |
サラリーマン(企業年金がない人) | 2万3000円 |
公務員 | 1万2000円 |
専業主婦、主夫 | 2万3000円 |
自営業、フリーランス | 6万8000円 |
これをご覧になって、あることにお気づきかと思います。それは、自営業者やフリーランスといった人たちの上限金額の高さです。こうした人たちは公的年金が国民年金だけになる可能性が高く、それだと2019年の実績で5万円台の受給額しかありません。こうした人たちはiDeCoなど何らかの方法で老後資金の上積みをしておく必要性が高いため、このようにiDeCoでは上限金額が高く設定されています。
iDeCoとつみたてNISAの違い
iDeCoとよく似た制度で、「つみたてNISA」をご存知の方も多いと思います。つみたてNISAも積立投資をするのにあたって非課税枠が設定されているため、税金が発生しない分だけ運用益の手取りが多くなることが魅力の制度です。この点ではiDeCoとほとんど同じですが、iDeCoとつみたてNISAにはいくつかの違いがあります。
最大の違いは、つみたてNISAでは途中解約ができる一方でiDeCoでは不可となっていることです。そもそもつみたてNISAは老後資金だけを目的とした制度ではないため、そこがiDeCoとは目的や思想が異なります。
iDeCoは途中解約ができないという制約がある一方で、非課税枠が大きいことや適用期間が長いことなど、税金面でのメリットは大きくなっています。
iDeCoによる老後への資産形成のメリット
iDeCoが持つメリットは税金面での優遇措置があることですが、それがあるとどんなメリットが得られるのでしょうか。それ以外のメリットも含めてiDeCoのメリットを5つのポイントにまとめました。
毎月の掛金が全額所得から控除される
iDeCoでは、毎月一定額を掛け金として積み立てていくことになります。この掛け金は全額が所得から控除されるため、高い節税メリットがあります。仮に毎月1万円の掛け金を設定している人が年間12万円を払い込むとすると、所得税と住民税の合計で2万4000円もの節税効果が生まれます。
自営業者の人は掛け金の上限が大きいため、掛け金を大きくすると本業収入への節税対策として活用することもできます。しかも節税をしながら老後への備えができるのですから、こうした人たちにはとてもメリットが大きくなります。
運用益が非課税になる
iDeCoによって積み立てた投資信託で発生した運用益についても、非課税です。これはNISAやつみたてNISAでも得られるメリットですが、iDeCoの場合は適用期間がとても長く、老後資金のための資産運用ということであればiDeCoのほうが圧倒的にオトクです。
投資信託では運用益が分配金として支払われる場合がありますが、これを一旦受け取ると税金が発生し、再投資する場合であっても税金分が減った金額になってしまいます。その点iDeCoであれば税金による目減りがないため、複利効果をいかしながら資産を増やしていくことができます。
受取時にも税制上の優遇がある
通常の積立であれば、それを年金として受け取る際に所得として取り扱われ、税金が発生します。iDeCoであればこれも控除となるため、払い込み時と受取時の両方で税金上のメリットが得られることになります。
なお、iDeCoの受け取りは年金のように月次だけでなく一時金としてまとめて受け取ることも可能です。その場合であっても控除があるため、税金面での不利はありません。
運用の方向性を自分で選べる
公的年金はGPIFという機関が運用をしており、その運用方針に口出しをすることはできません。iDeCoは豊富な投資信託のラインナップから自分が運用をしたい銘柄を選ぶことができるため、銘柄選びを通じて自分の年金をどういう方法で運用するかを選択できます。
これこそがアメリカの401kでも徹底されている個人主義の典型で、自分の年金をどう運用するのかを自分で決めるという自分主導の資産形成です。高いリスクを取ってでも高いリターンを目指したい人、逆に安全志向で運用したい人、この両方が同じ年金運用で満足できるはずはありませんが、iDeCoだとそれぞれの人が自分の方向性に合った年金運用ができるのです。
途中で休止、再開ができる
iDeCoの掛け金は60歳になるまで受け取ることはできませんが、一度iDeCoでの積み立てを始めたからといって60歳まで強制的に続けなければならないということはありません。途中で停止をしたり、再開したりといった意思も反映することができるので、まさに自分主導の年金構築です。
iDeCoを適用するデメリット
続いてここでは、iDeCoで資産運用をするデメリットを5つ挙げてみました。
60歳まで途中解約ができない
おそらく誰もが思うiDeCoの最大のデメリットは、60歳まで途中解約や受給ができないことでしょう。老後資金を前提にしているので、むしろ途中で使ってしまうことがないためメリットと捉えることもできますが、何か事情が変わってお金の入用が発生したとしてもiDeCoで運用している資産をあてにすることができないのは、リスクに感じるかも知れません。
運用の結果によっては損失が出ることも
iDeCoで運用対象となっているのは、投資信託です。投資信託の中に元本が保証されている銘柄はひとつとしてありませんので、iDeCoそのものが元本保証ではないことを押さえておく必要があります。
日本人は資産防衛の手段として元本保証であることへのこだわりを持っている人が多いですが、アメリカ発祥のiDeCoでは「リスクを取ることで大きなリターンを目指す」という投資そのものの思想が貫かれています。これからの老後資金づくりは元本保証という守りの姿勢だけでなく、iDeCoの世界に見られるような攻めの姿勢も必要になってくるのです。
年齢が高くなると適用する意味が薄れる
積立による資産形成が威力を発揮するには、ある程度の時間が必要です。たとえ少額であっても毎月コツコツと積み立てていくことで複利効果も生まれ、資産が加速度的に増えていきます。
これを逆に捉えると、年齢が高くなってくると60歳までの期間が短くなり、積立投資そのもののメリットが薄れてしまい、iDeCoで運用するメリットも薄れてしまいます。本格的な資産形成を考えるのであれば20年はほしいところですが、すでに40歳を超えている人は毎月の掛け金を上限まで大きくして少しでも資産形成効果を高めるようにしてください。
老後資金以外の用途には不向き
60歳まで途中解約や受け取りができないというデメリットはすでに述べました。ここから言えるのは、iDeCoが老後資金を準備するための制度であり、それ以外の目的には適していないということです。
子供の教育資金や事業を始めるための準備金といったように、老後になる前に必要なお金を準備する方法論としては、iDeCoはあまり役に立ちません。
自己責任のウェイトが高い
アメリカ生まれのiDeCoは、個人主義と自己責任の思想がそのまま形になったような制度です。投資信託を使った資産運用はそもそも元本保証ではなく損失が出ても自己責任となるわけですが、その投資スタイルに税金面での優遇を与えたのがiDeCoです。
公的年金だとすべての加入者が同じ結果を共有するわけですが、iDeCoは違います。選んだ投資信託の銘柄によって資産が大きく増える人がいたかと思えば、その逆の人もいます。豊かな老後のためには前者を目指したいわけですが、そのためには自分も勉強をしなければなりません。
金融機関に任せっぱなし、プロに任せっぱなしという姿勢ではなく、自分の老後を自分の力で豊かにするんだという気持ちを持っている人にとっては、iDeCoはとても魅力的な制度となるはずです。
iDeCoを検討するのにあたって知っておきたいこと
iDeCoが良さそうなので自分も始めてみようと思った方は、こちらの情報にも目を通しておいてください。iDeCoという仕組みを味方につけるために欠かせない情報です。
iDeCoを始めるべきなのは、どんな人?
iDeCoは基本的にすべての人にメリットがある制度ですが、とりわけメリットが大きくなる属性の人たちがいます。そんな「iDeCoを始めるべき人」は、主に3種類あります。
①自営業者(フリーランスも含む)
公的年金が少なく、iDeCoを始めるべきというより何らかの方法で公的年金にプラスできる手立てをしておかなければならないのが、自営業、フリーランスの人たちです。掛け金の上限がずば抜けて高いため資産形成効果が高く、iDeCoと最も親和性の高い属性と言えるでしょう。
②サラリーマン
サラリーマンは厚生年金に加入しているわけで、国民年金と比べると恵まれた年金額が期待できます。それ以外にも退職金や会社の制度による積立など、何かと老後に向けての手立てが充実している人が多いと思いますが、それでもiDeCoを活用するメリットはあります。サラリーマンの方々にとってのメリットは年金効果というより、むしろ節税効果にスポットが当たります。サラリーマンは節税をする余地がとても少なく天引きで税金を納めるしかないのですが、iDeCoは所得税と住民税の節税効果があるため、給料の手取り額を大きくすることができます。
③公務員
公務員というとサラリーマン以上に優遇されているイメージがあるかも知れませんが、実は公務員の待遇は年々悪くなっています。世論からの風当たりもあると思いますが、国の財政がひっ迫しているという事情もあるでしょう。そのため公的年金だけでなく自助努力によって老後への資産形成をしておかなければならないのはサラリーマンの人たちとあまり変わりません。これからも収入が減っていくと仮定すると、副業ができない分だけサラリーマンより深刻かも知れません。
iDeCoを始めるべきではないのは、どんな人?
次に、iDeCoを始めるべきではない人、始めても意味がない人についても3種類挙げてみました。
①扶養範囲内で働いている主婦もしくは専業主婦
配偶者の扶養範囲内で働いている人や専業主婦(主夫)の人たちは、そもそも所得税と住民税が発生していないので、iDeCoを始めたとしても節税メリットがありません。もちろん積み立てによって資産形成をすること自体に意味はありますが、節税効果がないので他の方法で積み立てをしたほうが途中解約もできるので有利だと思います。
②借金がある人
資産形成というのは今持っているお金を将来のために残し、増やす作業です。その逆に借金は将来に負担を残し、問題を先送りする行為です。つまり借金がある人はiDeCoを始めるかどうかという問題以前に、目の前にある借金を返済することのほうが先決です。借金には利息が発生するため、いくらiDeCoで年利数パーセントの運用ができていたとしても、借金の金利がそれを上回ってしまったら意味がありません。消費者金融などの金利は10%を優に超えているので、まずはそれだけの金利負担がある状態から脱出することを考えましょう。
③手取り収入が20万円を超えない人
借金がなかったとしても、収入の低さゆえに余剰資金をねん出できない人も、iDeCoに適しているとは思えません。今の生活が不安定なままだと老後に向けても同じ状態が続く可能性が高く、老後資金どころではないでしょう。借金がある人と同様、まずは目の前にあるお金の問題を解決して余剰資金を運用に回せるようなバランスシートを作ることに取り組んでください。
iDeCoによるメリットを最大化するための考え方
iDeCoを始めて、そのメリットを最大化するためには、以下の点を意識してください。
- 掛け金は上限いっぱいにする
- 少しでも年齢が若い時期から始める
- 運用している投資信託の成績を常にチェックする
3つ目については、もし成績が思わしくないと判断したのであれば他の銘柄に乗り換えるようにします。数十年にわたって同じ投資信託が良好なリターンを上げ続けることのほうが難しいと思うので、配分変更やスイッチングなど定期的なメンテナンスは重要です。
<用語解説>
①配分変更
iDeCoで購入する投資信託銘柄の変更をする手続きです。すでに購入済みの分はそのままプールされますが、配分変更手続き以降は変更した銘柄で積立が始まります。
②スイッチング
すでに保有している投資信託を売却して変更したい銘柄を買いなおす手続きのことです。スイッチングをしただけでは今後購入する銘柄までは変更されないため、スイッチングをした上で今後の購入銘柄も変更したい場合は、配分変更も行う必要があります。
少しでも若いうちから始める
前項でも挙げましたが、iDeCoのように積立投資は時間を味方につけることがとても重要です。60歳までという「お尻」が決まっている以上、少しでも若いうちから始めるのが老後資金を大きくするエネルギーになります。
資産形成効果はもちろんのこと、iDeCoには節税効果もあるので、その節税効果が発生する年数が長ければ長いほど、浮いた税金も投資に回すことができます。
知っておくべきiDeCoの注意点
ここでは、iDeCoを始める前に知っておきたい注意点を4つ解説します。
①口座を開設すると積み立てが始まる
NISAなど特殊な取り扱いの口座は、証券会社などでも一般の口座とは別の口座を開設して取引をします。iDeCoもその一種なので、iDeCo専用の口座を開設して積み立てをする仕組みになっています。ところがこのiDeCo口座は、ひとたび開設すると自動的に積み立てが始まるので「とりあえず口座だけ作っておく」ということができません。実際に始めるという判断してから口座を開設するようにしてください。
②iDeCoのほうがNISAより運用の選択肢が少ない
iDeCoとNISAはいずれも投資信託で運用をするのが前提になっています。NISAでは株なども運用対象となっていますが、iDeCoは投資信託のみです。また、投資信託の中でも銘柄数で比べるとNISAより少ないため、選択の幅が若干狭いことを留意しておいてください。
③金融機関によってiDeCoの対象商品が異なる
iDeCoで運用対象としている投資信託は、どこの金融機関でも同じというわけではありません。証券会社によって取り扱い数が異なるため、選べる銘柄も異なります。選択肢が多い方が良いと思われる方は、SBI証券や楽天証券といったネット証券に口座を開設することをおすすめします。
④iDeCo特有の手数料がある
税金面での優遇があるため、iDeCoにしておけばオトクなことばかりというイメージがありますが、必ずしもオトクなことばかりではありません。特に知っておくべきなのが、iDeCo特有の手数料です。加入時には国民年金基金連合会と金融機関に支払う手数料(数千円)が発生し、運用中にも同連合会や運用機関への手数料が発生します。税金面での優遇があるので気にならないレベルかも知れませんが、「聞いていない」となってしまわないように押さえておいてください。
iDeCoによる資産形成を始める方法
最後に、iDeCoを始める方法をステップ順に解説します。iDeCo口座をお持ちでない方を想定し、全く何もないところから始める方法として解説していきます。
iDeCoを始める金融機関を選ぶ
iDeCo口座を開設し、そこで積立運用をする金融機関を選ぶことから始まります。筆者は取り扱い銘柄数が多いことや手続きの手軽さなどからネット証券を推奨していますが、必ずしもそうでなくても構いません。安定感のある老舗証券会社や地元の銀行など、好みで選んでも問題ありません。
なお、iDeCo口座を取り扱っている金融機関は、以下のページから探すことができます。
こちらのページでは取り扱い銘柄の比較ができますが、それ以外にもサービス内容や手数料で比較することもできます。
iDeCoで積立運用をする銘柄を選ぶ
次に、iDeCoで積立運用を始める投資信託の銘柄を選びます。おおむねどの金融機関も30~60程度の銘柄を取り扱っており、その中から長期的な運用で資産増が期待できるものを選びます。
どの銘柄を選べば良いのか分からないという方も多いと思いますので、以下のような条件に見合ったものを選ぶのが無難です。
- インデックス型投資信託(株価指数などと連動する銘柄)
- 純資産残高が順調に増え続けている
- 設定時よりも現在の基準価額が上回っている
- 若いうちは積極運用、受給開始が近づいてきたら安全運用
iDeCoによる資産形成は長期的な視野が必要なので、あまり目先の利益の目を奪われないようにしてください。長期的に見て資産が保全され、少なくとも数十パーセント程度の資産増が見込めるという視点を持ちましょう。
iDeCo口座の開設を申し込む
銘柄を決めたら、iDeCo専用の口座を開設します。証券会社などに口座をお持ちの方は、その口座とは別にiDeCo専用の口座を開設することになります。すでに解説した通り、iDeCo口座は解説をすると積み立てが始まる仕組みになっているため、積立開始の時期になるまで口座を開設しないようにしてください。
なお、口座を開設しても残高不足で積立ができない場合は「未納」となります。後からさかのぼって掛け金を払い込むことはできないので、確実に払い込みができる態勢を作ってから口座開設をするのが無難です。
掛け金の払い込み開始
iDeCoは口座からの引き落としか、給料からの天引きという形で掛け金を払い込みます。先ほども述べたように残高不足などで払い込みができなかった月は未納になってしまい、将来の受取額がその分少なくなってしまいます。未納になってしまうことがないよう、適切に資金管理をしましょう。
60歳になるまで積み立てを続ける
払い込みが始まったら、あとは60歳になるまでお金を受け取ることはないので積み立てを続けていきます。ただ積み立てるだけでなく、定期的に運用成績をチェックして思わしくないようであれば配分変更やスイッチングによって不利にならないようにメンテナンスをしていきます。
まとめ
iDeCoって何?という疑問から、どうすれば最もメリットが大きくなるのかという切実な疑問に対してお答えをしながら、iDeCoを味方につける方法を解説してきましたが、いかがでしたか?記事中でも述べているように、iDeCoは早く始めるほどメリットが大きくなります。老後のために何か始めておきたいという方は、ぜひiDeCoの銘柄選び方始めてみてください。