コインランドリー経営は楽して稼げる?知っておきたい理想と現実
By Oh!Ya編集部
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コインランドリー経営に興味をお持ちの方にとって、コインランドリー経営とはどんな存在でしょうか。「有望な土地活用方法」「機械が勝手に稼いでくれる副業」「市場が拡大しているので将来性が明るいビジネス」といったような期待感をお持ちの方が多いのではないでしょうか。
しかし、実際のところはどうなのか?身近なところに経験者がいれば話を聞くことができるかも知れませんが、そうでない方にとっては情報が少なく、実際に始めるかどうかの判断が出来かねていることでしょう。
そこで当記事ではコインランドリー経営とはどんなものか、そして本当に有望なビジネスなのか、始めるにはどうすれば良いのかといった疑問にお答えしたいと思います。
目次
機械が稼いでくれる不労所得?コインランドリー経営の基本
コインランドリー経営の面白いところは、何といっても「機械が勝手に稼いでくれる」という不労所得の香りがする部分でしょう。それも含めて、コインランドリー経営とはどういうものなのかという概要を解説します。
コインランドリー経営とは?
以前と比べると町なかでコインランドリーを見かけることが多くなりました。かつては独り暮らしの人や自宅に洗濯機がない人、長期滞在の旅行者などが利用するものというイメージのコインランドリーですが、今では新たな利用者層が広がっており、市場規模の拡大に伴って参入する企業や人が多くなっています。
そんな需要に応えて、コインランドリー店を設置して利用者から使用料金を稼ぐのがコインランドリー経営のビジネスモデルです。コインランドリーという名前の通り、お金を入れて洗濯機や乾燥機を利用するため、基本的には店舗は無人です。機械に任せておけばお金を稼いでくれるという部分がコインランドリー経営に興味を持つ人が多くなる最大の理由です。
コインランドリー経営が注目される理由
コインランドリーという存在自体の社会的な役割が、以前と比べるとずいぶん変わってきているように思います。先ほども述べたように、利用者層が拡大しています。コインランドリーといえば単身者が深夜に利用するというイメージが強かったものですが、今では24時間いつでもさまざまな利用者が訪れます。
最も大きな違いは、自宅に洗濯機がある家庭から洗濯物が持ち込まれることでしょう。布団など大きなものを丸洗いできる洗濯機を求めて来る人、従来であればクリーニング店でないと洗濯ができなかったような衣服などもコインランドリーで洗えるようになってきているので、こうしたものを持ち込む人も新たに強い利用者層です。
もうひとつ見逃せないのが、インバウンド客と呼ばれる訪日外国人です。これまで日本社会にはそれほどいなかった人たちですが、こうした人たちが長期滞在をする際には洗濯の必要があります。そのためにコインランドリーを利用する人が多くなっており、事実としてインバウンド客が多く集まる地域ではすでにコインランドリーが続々と開店しています。
このようにコインランドリーはさまざまな層の人たちにとって必要なインフラのひとつとなり、市民権を得ました。この状況が続く限り、コインランドリー経営にも追い風が吹くことでしょう。
コインランドリー経営のメリット6つ
ビジネスとしてのコインランドリー経営のメリットを6つ挙げてみました。
①人を使う必要がない
コインランドリー店は基本的に無人です。機械が勝手に稼いでくれるというイメージがあるのもそのためで、実際にコインランドリー経営を始めたとしても人を雇う必要はありません。人を使うということは人件費が発生し、求人コストなども生じます。コインランドリー経営にはそういったコストやリスクがないため、これは大きなメリットでしょう。
②節税メリットがある
コインランドリー経営には、税金面でのメリットがあります。これはあまり知られていないことかも知れないので詳しく解説すると、まず開店時に得られるのが設備費用の即時償却による節税メリットです。中小企業経営強化税制という優遇制度を適用すると、コインランドリーを開店した時に支払った設備費用を全額償却することができます。つまり所得から控除することができます。
不動産売却などで一時的に多額の利益が出ている人など、一時的に税額が跳ね上がる可能性がある人にとって、こうした即時償却は大きな節税メリットになります。
もうひとつ、コインランドリー経営をするということは所有している土地を相続する際に「小規模宅地の特例」を適用することができます。この特例を適用すると相続税の評価額が8割も減らすことができるため、かなり高い節税効果となります。
事実、こうした節税メリットのためにコインランドリー経営を始める人も少なくありません。
③収益が安定しやすい
土地の活用法にはさまざまな選択肢がありますが、その中でもコインランドリー経営は収益の安定性において比較的優れているというメリットがあります。これは利用者の目線になると理解しやすいことですが、ある利用客がコインランドリーを利用して特に問題がなければ、以後も同じコインランドリーを使う可能性が高いでしょう。価格が横並びでよく分からないコインランドリーを新たに使うことにはリスクを感じる人が多いからです。
そのため、コインランドリー経営は軌道に乗ると収益が安定しやすいという特徴があります。
④維持の手間、コストがあまりない
コインランドリー経営での「主役」は、洗濯機や乾燥機です。こうした機器類のメンテナンスさえしておけば、基本的にコインランドリー経営は安定的に続けることができます。アパートやマンション経営だとメンテナンスを要する部分がとても多岐にわたりますが、コインランドリーは維持しやすくコストもあまりかかりません。
⑤新たな収入源を確保できる
コインランドリー経営特有のメリットはありませんが、経営が軌道に乗ればそれが新たな収入源となります。メリットの性質は不動産投資と同じですが、条件によっては不動産投資よりも成功しやすいため「収入源を確保する」という目的達成には近い存在と言えます。
⑥変形地、狭小地など条件が悪くても開業加納
土地を所有しているからといって、その土地が高い価値を持っているとは限りません。最も厄介なのが変形地や狭小地といった条件の悪い土地で、こうした土地ではアパートやマンションなどの賃貸経営は困難です。
その点、コインランドリーであれば土地の条件が悪くてもそれに合わせた店舗設計が可能なので、他の土地活用法が難しい場合にコインランドリー経営を選択する土地オーナーも多くいます。
コインランドリー経営のデメリット3つ
それでは次に、コインランドリー経営につきまとうデメリット、リスクを3つ解説します。
①初期費用が高額になる
コインランドリーを利用したことがある方であれば想像がつくと思いますが、コインランドリーにある洗濯機や乾燥機などの設備は業務用の本格的なモデルです。これらの機器類は決して安いものではなく、初期費用として設備関連だけで1,500万円から2,000万円ほどの投資を要します。
もちろん不動産投資であっても高額の投資が必要ですが、開店後の収益力を考えるとコインランドリーのほうが割高です。
ただしこのデメリットは、即時償却の活用など節税と絡められる人であれば、メリットに転ずることもあります。
②開業してしばらくは赤字経営になる
すべてのコインランドリーがそうだとは限りませんが、コインランドリー経営が軌道に乗るのは少なくとも1年程度は必要です。店舗の存在を認知してもらうことだけでも時間を要するので、それまでは赤字経営を覚悟しなければなりません。開店即ウハウハということはあり得ないとお考えください。このため、一般的にコインランドリー経営はこうした赤字期間に耐えられるだけの資金力がなければ取り組むべきではないとされています。
③思っているほど儲からない
根本的な問題として、コインランドリー経営は多くの人が思っているほど儲かるものではありません。おおむね利回りは10~15%あれば上出来とされていますが、この利回りが出るまでに1年以上はかかると思ってください。
逆にアパートやマンションの経営だとこれを上回る利回りが出ることもありますが、コインランドリー経営の場合はこれが上限です。
それでも多くの人がコインランドリー経営に乗り出している
賃貸経営ほど儲からないということが分かっていながら、多くの人がコインランドリー経営に乗り出している事実があります。もちろんそれを上回るメリットを感じているからであるのは間違いありませんが、そこには市場の拡大だけでなく副業容認という世の中の流れもあると思います。
副業が容認されるのであれば何か始めたいと思う人は多いと思います。しかし本業の忙しさを考えると機械が稼いでくれるコインランドリー経営が好都合だと感じる人が多いのも事実でしょう。
コインランドリー経営を始める方法
それではここからは、実際にコインランドリー経営を始める方法について解説を進めていきましょう。
自力経営vsフランチャイズ
コインランドリー経営には、大きく分けて2つの方法があります。1つは、店舗の準備や設備の調達などをすべて自分で行う完全自力経営です。もう1つはフランチャイズとして大手チェーンに加盟し、そのフランチャイズチェーンのノウハウを用いてコインランドリー経営をする方法です。
ノウハウの蓄積という意味では後者のほうが圧倒的に成功率が高いので、筆者は後者の方法をおすすめします。前者の経営に適しているのは、周りに競合が全くなく、それと同時に中古の洗濯機など設備を調達する何らかの優位性がある人くらいでしょう。
以下に主なフランチャイズチェーンをご紹介しますが、これ以外にも全国津々浦々にたくさんのコインランドリーチェーンがあります。
・センカク
(土地がない方はここから)出店の好適地を探す
土地をお持ちではなく、場所の確保からコインランドリー経営を始めたいという方は、まずコインランドリー店舗を出店するための好適地を探すことから始めます。フランチャイズチェーンに加盟して開業する場合は、土地の選定段階からアドバイスを受けることができるので、プロの意見を仰いだほうが無難です。
(土地がある方はここから)市場調査、出店計画
コインランドリー経営をお考えの方で、おそらく大半の方はすでに土地をお持ちだと思います。筆者の意見としてそれほど利回りが高くなるわけではないことを考えると、土地を持っている方にとっての土地活用法としてコインランドリー経営を検討するのがセオリーでしょう。
土地がすでにある方にとって、出店予定地はすでに決まっています。あとはその場所にどれだけの需要があるかという市場調査からのスタートとなります。この時点で見込みが薄いのであれば、コインランドリー経営への参入はやめておいたほうが無難です。
開業資金を調達する
コインランドリー開業のネックとなるのが高額になりがちな資金の手当てですが、理想的なのは自己資金で充当することです。しかし1,500万円や2,000万円といった金額をポンと出せる人ばかりではないと思いますので、その場合は融資を利用することができます。
開業資金の全部を融資でまかなうとなると審査に通りにくくなる問題がありますが、事業の採算性と自己資金をある程度用意できるという環境が整っていれば、融資を受けることはそれほど難しくはありません。
コインランドリー店舗の施工
資金調達ができたら、いよいよコインランドリーの店舗施工です。ただし工事といってもコインランドリーは機械を置くだけなので、それほど大がかりな工事にはなりません。
コインランドリー経営開始
工事が完了して設備がいつでも使える状態になったら、いよいよ開店です。特に最初は近隣への宣伝活動を行って集客努力をしましょう。チラシを配布して割引キャンペーンを開催するなど、まずはそのコインランドリーが存在していることを知ってもらうことが重要です。
コインランドリー経営の注意点
コインランドリー経営を成功させるためには、いくつかの注意点があります。他の土地活用法とは異なる特有の事情もあるので、ここでの注意点はどれもしっかりと留意しておいてください。
コインランドリー業者のシミュレーションは話半分で
コインランドリーのフランチャイズチェーンに加盟したり、専門の業者などに依頼する場合、最初に必ずあるのが開業予定のコインランドリーの収益シミュレーションです。実際にコインランドリーを開業したらどの程度の集客が見込めて、どの程度の収益になるのかを試算して、その結果に基づいて開業する否かの判断をします。
この時、業者の立場になって考えてみると、収益シミュレーションで思わしくない結果が出てほしくないと思うはずです。なぜなら、シミュレーションの結果有望な話でないとコインランドリー開業という展開にはならないからです。そのバイアスがかかった結果、若干盛られた結果になっていることは否めません。
丸ごと鵜呑みをしてしまうと無謀な開業につながる恐れがあるので、コインランドリー業者のシミュレーションは「話半分」の参考程度に留めておきましょう。
競合店との差別化が難しい
コインランドリーの構造的な問題として、差別化の難しさがあります。特定のコインランドリーにしかないような設備があるといったことはなく、おおむねどこのコインランドリーも置いてある設備は似たようなもので、値段もほぼ同じです。
そうなると差別化するとなると立地条件や低価格路線しかなく、競合が増えてきた時に明確な強みを発揮するチャンスがあまりないことを念頭に置いておいてください。
繁盛しているコインランドリーを見ていてもそれほど明確な特徴はなく、立地条件や店内が常に清潔に保たれていることなど、地道な努力によるところが大きいように思います。
郊外店舗では駐車場がないと厳しい
コインランドリーを利用する人の多くは、たくさんの洗濯物を抱えています。市街地にあるようなコインランドリーであれば近くから来る人が大半だと思いますが、郊外だと営業圏が広くなります。そうなるとクルマを使う人が大半なので、駐車場は必須です。
ロードサイドなどにコンビニエンスストアの居ぬきでそのままコインランドリーになっているようなケースが見受けられますが、こうしたタイプのお店は繁盛しているところが多く、「コンビニでは無理だったがコインランドリーなら成功した」という事例が今後も増えていくかも知れません。
治安維持にはオーナーも関与を
コインランドリーは24時間営業が原則なので、どうしても深夜の時間帯には治安の問題があります。雨風をしのげる場所であることから市街地のコインランドリーでは夜中に人が居ついてしまったり、そこで飲食をする者もいます。こうした招かれざる客の問題に加えて、売上金を狙う泥棒の被害に遭うこともあるため、治安維持、セキュリティの確保にはオーナーも積極的に関与するべきです。
定期的な見回りはもちろん、少々お金をかけてでも物理的な防犯対策をしておくことをおすすめします。
そもそも融資に通らない可能性がある
先ほど資金調達の手段として金融機関の融資があると述べましたが、収益物件を担保にする不動産投資と違ってコインランドリーの場合は融資で買うのは機械類です。これでは担保価値が低いので、どうしても融資の審査には通りにくくなります。
事業計画に甘い部分があったらそれも審査に響きますし、自己資金が少ないと「本気度」を疑われてしまい、結局審査に悪影響です。こうした事情をしっかりと踏まえて、綿密な事業計画による採算性の担保、せめて自己資金を3割から半分程度用意をして融資の審査に臨みたいところです。
ただし、審査に通らなかったからといって悲観することはありません。金融機関が審査でNGを出したということは、そもそもコインランドリーへの参入に勝算がないと判断したということです。実際に参入をして失敗するリスクを回避したとも考えられるわけです。
コインランドリー経営のリスク要因
コインランドリーの開業や経営を続けていく上で知っておくべきリスク要因を5つの項目で解説します。いずれもすでに触れてきたことですが、実際にコインランドリー経営に参入する場合は、これらすべてのリスクを克服できているかをチェックしてください。
高額な開業資金
コインランドリー経営で最初に待ち受けているハードルは、高額な開業資金です。コインランドリー経営で成功するには、この開業資金を自分で用意するのが理想です。返済の義務がありませんし、利息も発生しないからです。
高い確率で成功させたいと思うのであれば、自己資金がない場合はコインランドリー経営をやめておいたほうが無難かも知れないというのは、筆者の個人的な見解です。
周辺の人口や競合によって収益が大きく変動する
コインランドリーを開業した当初は近隣に競合があまりなくて収益がしっかり上がっていたとしても、近隣に競合店が新たにできたことでその様相が一変することがあります。特に競合が少なくて繁盛していたような場所には他の投資家も目を付けるため、どうしても競合が出店しやすくなります。
開業時の経営環境が続くとは限らないというのはコインランドリーに限らず実店舗ビジネス全体に言えることですが、コインランドリーにもそのリスクがあります。
実は郊外型店舗のほうがハイリスクである
市街地にあるコインランドリーと郊外にあるコインランドリー、どちらのほうがハイリスクかと考えると、おそらくほとんどの方は市街地のコインランドリーを想像されるのではないでしょうか。
しかし、実際は違います。市街地のコインランドリーはそれほど大型店舗になりませんが、郊外型のコインランドリーは大型店舗が多く、しかも駐車場もついているので何かと大がかりです。そのため初期投資も大きくなるため、その分だけリスクも高くなります。
郊外の店舗は安上がりというイメージだけが先行すると、それが思わぬ落とし穴になってしまう可能性があるので、その部分をしっかり認識しておきましょう。
無人店舗ならではのリスク
先ほども少し述べましたが、コインランドリーは無人店舗であることがセキュリティ上のリスクを生みます。店員がいないことから機械を雑に扱う人がいるのは、故障リスクを高めます。
また、洗濯が終わるまで時間をつぶしているのであれば問題ありませんが、部外者が勝手に入り込んできて居眠りをしたり、酒盛りをしていたという事例もあります。
また、両替機や洗濯機などのコインボックスを荒らす輩もいるため、防犯カメラの設置や保険の加入は必須です。もし招かれざる客によって迷惑行為があったのであれば、防犯カメラの映像から顔が分かる写真を店内に貼るというのも効果的です。
コインランドリーが増え続けている事実
コインランドリーを開業した時の経営環境が続くとは限らないと先ほど述べましたが、この傾向は全国的なものです。日本全体でコインランドリーが増え続けており、地域によっては競合が激化しつつあります。有望なビジネスであれば参入したいと思う人が増えるのは当然のことで、コインランドリー経営が有望であるという認識が続く限り、その傾向も続くでしょう。
今は競合がなかったとしても、今後競合を意識せざるを得ないような状況が起きることも、全く不思議ではないのです。
コインランドリー経営を成功させるノウハウ
最後に、コインランドリー経営を成功させるためのノウハウを伝授したいと思います。コインランドリー経営に参入するのであれば成功を願うのは当然のことで、そのためには以下の要素が欠かせません。
開業時のコストを可能な限り低く抑える
開業資金が高額になりがちなのがコインランドリー経営のネックです。投資は利回りをいかに高くするかが重要になるわけですが、利回りの計算式は「年間の収入÷投資金額」で求められます。つまり利回りを高くしようと思うのであれば、分子である収入を大きくするか、分母である投資金額を少なくするかのどちらか、もしくは両方です。
そこで初期投資をできるだけ低く抑えれば、同じ収入であっても利回りは高くなります。つまり投資が成功に近づきます。開業時のコストを下げるポイントは、やはり設備投資です。
相見積もりで少しでも安く買える業者を探したり、中古でまかなえるものは中古でまかなうなど、特にコインランドリー業者を利用する場合は業者の言いなりになることなく、主体的に初期投資を安く抑える工夫をしましょう。
フルローンを避け、自己資金で多く用意する
融資を使うことなく、できるだけ自己資金で取り組むべきというのは、コインランドリー経営に対する筆者の意見です。返済の負担がキャッシュフローを少なくしてしまいますし、そこに利息がつくことで経営を圧迫してしまうからです。
融資を利用する場合であっても、できるだけ借り入れは少なくするのがポイントです。手持ちのお金をすべて投資してしまうのは資金ショートの危険があるのでおすすめはしませんが、安全が確保できる最大限の範囲で自己資金を多く準備するようにしましょう。
固定費をできるだけ削減する
コインランドリーには多くの電気製品があります。洗濯機や乾燥機はもちろんのこと、24時間営業なのでエアコンや照明も常に使うことになります。そうなると電気代も相当なものになります。そこで検討したいのが、固定費である電気代をいかに削減するかという工夫です。
照明のLED化や空調設備を省エネタイプのものにするといった工夫は、最初こそお金がかかりますが、その後の固定費に大きな差が出ます。他にも安い電力会社への乗り換えなど、電気代をいかに安くするかというところにも経営者のセンスが問われます。
地道な経営努力を怠りなく
コインランドリー経営は、お客さんあっての商売です。お客さん(特に常連のお客さん)に何度も使ってもらうことで収益が安定化するので、地道な経営努力を怠らないようにしてください。
開業時に宣伝活動をするのは当然ですが、定期的にチラシを配布したり、キャンペーンの開催などでテコ入れをすることも重要です。すでに述べた通り、コインランドリーは差別化が難しい業態です。そのためあなたが経営しているコインランドリーに来てもらうための理由を作ることが重要なのです。
コインランドリー=不労所得にあらず
最後に、これは大原則です。コインランドリーは機械が勝手に稼いでくれるというイメージがありますが、それは事実ではありません。ここまでお読みになった方であればお分かりいただけると思いますが、経営者の地道な努力が成否を分ける、きわめて分かりやすい事業なのです。
コインランドリーは不労所得であるという意識は、少なくとも開業するまでには捨てておくべきでしょう。むしろ経営者が積極的に努力をすることによって収益を大きくして、2店舗目、3店舗目と事業を拡大していくくらいの気概がほしいところです。
まとめ
コインランドリー経営は手軽に始められて、ほとんど何もしなくても機械が稼いでくれるのが魅力・・・というイメージで記事を読み始めた方にとって、少々意外な内容もあったかと思います。特に現実に即した解説も多かったので、「それならやめておこう」という考えに至った方もおられると思います。仮にそうなったとしたら高額な初期投資をパーにせずに済んだとも考えられるので、コインランドリー経営への参入はそれくらい慎重さを持って臨むことを強く推奨します。