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資産運用を始めよう!Excelの6つの関数で投資の利回りを計算

By Oh!Ya編集部

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資産運用を始めよう!Excelの6つの関数で投資の利回りを計算

「投資の利益を簡単に計算できるようになりたい」 「自分に合った投資計画を立てられるようになりたい」

あなたがこれから投資をしていく場合、最終的な資産の目標とそこに至る過程を計算できるようになる必要があります。なぜならば投資には不確定な部分がつきものであるため、時と場合に応じて常に計画をブラッシュアップしていく必要があるためです。

その計算をいちいちファイナンシャルアドバイザーに求めていたのでは、迅速な投資判断ができなくなってしまいます。今回の記事では、エクセルで投資計画を立てることができるように、

・投資の基本中の基本となる資産運用の計算式 ・投資に使いやすい6つの関数

を紹介します。この記事を読むことで、あなたも投資についての大まかな計画を迅速に立てることができるようになります。

最も簡単な複利での資産運用の計算式

基本の計算式

はじめに投資をしていく上で最も基本となる「資産を複利で運用した場合の結果」を求める式をチェックしましょう。投資については「利回り」というものが常に重要な数値となりますが、それを用いてあなたが最終的に手に入れることのできる資産額を計算します。

複利で運用する場合の計算式

  資産を効率的に増やすことのできる複利運用は投資の基本ですが、計算式にすると以下の形となります。

投資元本×(1+利回り)^運用年数

つまり投資元本100万円を、利回り8%で、30年運用する場合、エクセルには以下のように入力することとなります。

基本計算式

エクセルへの入力の際は、計算式のみを1つ入力するのではなく、上記の例のように「投資元本」「利回り」「運用期間」について個別の項目を作成することをお勧めします。そして、それらの数値をセル引用する形で計算式に当てはめるのです。

そうすることで、個別の項目を変更したシミュレーションを行いやすくなります。

計算事例

上述した最も基本となる計算式は投資計画を立てる上で最も使う機会が多いものです。例えば、あなたが利回り8%の投資信託を100万円分購入し、30年後に手元にある資産を計算する際に使います。

また株式投資における1年目の運用実績が利回り6%であり、それを用いて今後20年間運用を続けた際の資産も計算することができます。まさに基本中の基本といえる計算式なので、まずは頭に入れておいてください。

FV関数:積立投資による「将来の資産額」を計算

FV関数

ここからはエクセルの関数を紹介していきます。関数と聞くと難しいイメージを持つ場合もあるかもしれませんが、ここで紹介するのは投資の各場面で簡単に利用できるもののみです。

また、併せて簡単な事例も紹介していきます。関数を使用する具体的な場面をイメージしつつ読んでみてください。最初に紹介するのは「FV関数」です。

こちらは「Futuer Value=未来の価値」を計算するものです。具体的には、毎月一定額を積み立てながら投資を続けた場合の投資成果を計算するための関数となります。

前提事例

はじめにFV関数を利用する際の前提事例からみていきます。以下のような場合、FV関数を利用するとあなたの知りたい数値をすぐに計算することができます。

あなたは金融機関から紹介された積立投資信託の購入を検討していました。その積立投資信託は毎月1万円を積立しながら利回り5%で運用できるものです。あなたは安全な投資の選択だと考え、15年間運用した場合の資産額を知りたいと考えました。

関数

では、上記の場合に合わせて実際にFV関数を利用してみましょう。積立は月単位で行われていくため、以下の関数を利用することとなります。ポイントは「毎月の積立金」をマイナスの数値として入力することです。

=FV(年利/12,期間×12,-毎月の積立金額)

エクセルに入力すると、以下の形となります。

FV関数

毎月の積立金「-10,000」はあなたの懐から出ていくお金を理解しておくとわかりやすいです。

関数を使った結果

このようにFV関数を使うことで、毎月1万円を積立しながら利回り5%で運用できる投資信託を利用して15年間の資産運用をすると、最終的にあなたは267万2,889円を得られることとなります。

この関数は毎月の積立がある投資手法に応用することができるため、個人型確定拠出年金や不動産投資信託などにも使うことができます。利用する場面が多いため、使いこなせるようにしておいてください。

PDURATION関数:投資目標を「何年間」で達成できるか計算

PDURATION関数

2つ目の関数としては、「PDURATION関数」を紹介します。この関数は、あなたが設定した投資目標を「何年」で達成することができるかを計算します。つまり現在から目標達成までにかかる期間を計算するのです。

投資計画を立てる際は、はじめに目標を立てて、そこから逆算する形で投資期間や利回りを計算していくこととなります。そのため PDURATION関数を利用する場面は少なくありません。事例とともに使い方をみていきましょう。

前提事例

PDURATION関数は以下のような場合に使用します。

あなたは老後の資金を貯めるために、投資を始めようと考えています。定年までは仕事を続けるつもりであるため、ハイリスクハイリターンな投資は行いません。むしろリスクをおさえることを優先し、利回りは4%程度で構わないと思っています。

現在投資に利用できる投資元本は300万円です。あなたは、この4%と300万円という数値を利用して、老後資金の目標である1,000万円を貯めるには何年が必要なのかを知りたいと考えました。

関数

上記の事例においては、以下の PDURATION関数を使います。

=PDURATION(利率,投資元本,目標資産額)

エクセルに入力すると以下の形となります。

PDURATION関数

関数を使った結果

このようにして、上記の事例の場合、あなたが1,000万円を貯めるには「30.7年」の期間が必要であると知ることができました。仮に投資を開始したのが30歳であるならば、61歳の時には1,000万円が貯まっているということになります。

ある程度確保することのできる利回りが決定したら、PDURATION関数を使って目標達成までの年数を計算してみましょう。仮に目標達成が遅すぎる場合は、利回りや投資元本を設定し直していくこととなります。

RRI関数:投資目標達成のために必要な「利回り」を計算

RRI関数

先ほどPDURATION関数で目標達成に必要な年数を計算しましたが、投資計画を立てていると「目標達成に時間がかかりすぎる!」と感じることがよくあります。それこそリスクをおさえることを優先すると、その分、利回りも低くなるためです。

このような際、投資元本と目標金額をはじめに設定し、それを実現するための「利回り」を知りたいと考える場合があります。このようなときに使うのが「RRI関数」となります。

前提事例

40歳となったあなたは、老後の資金を得るために投資計画を立てていましたが、3~4%の利回りでは目標達成までに時間がかかりすぎると痛感していました。具体的に、投資元本300万円、利回り4%で1,000万円を貯めようとした場合、30.7年が必要となってしまうのです。

すでに40歳になったあなたは、20年間で1,000万円を貯めたいと考えています。そこで、投資元本300万円を使って20年で1,000万円を貯めるために必要な利回りを知りたいと考えました。

関数

このような場合に以下のRRI関数を使います。

=RRI(運用年数,投資元本,目標資産額)

エクセルに入力すると以下の形となります。

RRI関数

ポイントとして、関数の結果が表示されるセルを小数点第二位まで表示できるようにしておくことです。これで必要な利回りを正確に表示させることができます。

関数を使った結果

以上のように、事例においてRRI関数を使うことで、投資元本300万円を利用して20年で1,000万円を貯めるためには、「6.20%」の利回りが必要であることがわかりました。あなたはこの利回りを達成することのできる金融商品を選んでいく必要があるのです。

利回りについては、投資にリスクがつきものである以上、リスク込みの数値を設定していく必要があります。つまりは年間におけるある程度の損失もふまえた上で6.20%の利回りを実現する必要があるのです。

6.20%という利回りは投資において必ずしも実現が不可能なものではありませんが、損失およびリスクのことを一切考えずにいると最終的な利回りは6.20%を下回ってしまうでしょう。投資計画は期間にも利回りにも余裕をもって立てることをお勧めします。

PMT関数:借入金を「毎月いくら」返済しなければならないかを計算

PMT関数

あなたが不動産の現物投資を行うとするならば、多くの場合、物件の購入にはローンを利用するでしょう。つまり家賃収入で長期にわたってローンを返済していく必要があるのです。

このような場合に金融商品からの借入金を利息込みで「毎月いくら」返済しなければならないのかを計算するのが「PMT関数」です。不動産投資の計画を立てる際には必須のものとなりますので、事例とともにみていきましょう。

前提事例

あなたは頭金500万円を用意した上で金融機関から5,000万円を借り入れて、5,500万円のアパートを購入して賃貸にまわす形で投資を行う計画を立てています。周辺の賃料相場を調査するに、毎月30万円程度の家賃収入が見込めそうです。

そこで5,000万円の借入金の毎月の返済額を計算し、投資計画が健全な形となるか否かをチェックしたいと考えました。借入金に対する利率は年2.3%となります。

関数

このような場合に以下のPMT関数を使用します。これで「毎月の返済額」を計算することができるのです。

=PMT(年利率/12,返済年数×12,借入金)

エクセルに入力すると以下の形となります。

PMT関数

結果として出る数値はあなたの懐から出ていくお金であるため、マイナスで表示されます。

関数を使った結果

上記の事例についてPMT関数を使うと、結果は「-192,401」となりました。つまり毎月19万2,401円を返済していくこととなります。修繕費の積立などもありますが、毎月30万円の家賃収入を見込むことができるのであれば、投資としては問題ない返済額でしょう

不動産投資においては、このようにして想定家賃収入と返済額の関係を中心に据えながら投資計画を立てていくこととなります。

先ほども触れましたが、不動産投資については修繕費の積立や不動産管理会社への管理費の支払いも毎月発生するため、細かな支出も踏まえた上で家賃収入で全てをペイできるかをチェックしていきましょう。

CUMIPMT関数:期間中の貸付金に対する「利息の合計」を計算

CUMIPMT関数

不動産投資について金融機関のローンを利用して物件を購入し、家賃収入を得ながら借入金を返済していく場合、一定期間内における「利息支払い合計額」と利益の割合をチェックしたいと考えることがあります。

なぜならばローンを利用しての不動産投資は、利息も含めた借入金の全額について毎月の家賃収入でまかなっていくのが健全であるためです。このようなときは「CUMIPMT関数」を利用します。

前提事例

あなたは金融機関から5,000万円を、年利2.3%、返済期間30年で借り入れて不動産投資を行っています。その中で毎月の家賃収入と返済している利息の合計額を比較したいと考えました。

具体的には借入れ2年目に支払う合計利息額を知りたいと考えています。

関数

このような場合は以下のCUMIPMT関数を使用します。

=CUMIPMT(利率/12, 返済期間*12, 借入額, 開始期, 終了期,種類)

エクセルに入力すると以下の形となります。

CUMIPMT関数

上記の関数では機関に関する以下の数値は全て月単位で計算されています。

  • 返済年数(30×12か月=360か月)
  • 開始期=13か月目から
  • 終了期=24か月目

13か月目から24か月目までを計算するため、2年目の利息合計額が算出されるのです。

また()内末尾の「0」は支払いのタイミングを表すものであり、「0=期末払い」「1=期首払い」となります。今回は期末払いの「0」を利用しています。

最終的に表れる数値はあなたの懐から出ていくお金であるため、マイナスで表示されます。

関数を使った結果

上記の事例においてCUMIPMT関数を利用すると、2年目の利息合計額は「111万485円」となりました。不動産投資においては、利息も含めた額の借入金を毎月返済していくこととなります。周辺の家賃相場との兼ね合いで、無理のない計画を立てましょう。

YIELD関数:定期的に利息が発生する証券の「利回り」を計算

YIELD関数

最後に紹介するものは、利息が定期的に支払われる証券についての「利回り」を計算するYLELD関数です。これは証券の償還額と現在価格に乖離がある場合等も含めた、最終的な利回りを計算するために利用することができます。

前提事例

あなたは2018年1月1日に証券を購入しました。証券の満期日は2019年12月31日です。また年利は3%で利息支払い回数は年2回、償還額は10,000万円、現在価格は9,800円でした。

この証券を運用した際に、年2回の利息支払いと償還額を含めて、最終的にどのくらいの利回りになるかを知りたいと考えています。

関数

上記のような場合以下のYIELD関数を使います。

=YIELD(受渡日,満期日,年利,現在価格,償還額,頻度,基準)

()内末尾の「基準」については、以下の中から対応するものを選択して入力します。

  • 0:30日/360日(NASD 方式)
  • 1:実際の日数/実際の日数
  • 2:実際の日数/360 日
  • 3:実際の日数/365 日
  • 4:30 日/360 日 (ヨーロッパ方式)

エクセルに入力すると以下の形となります。

YIELD関数

今回は受渡日および満期日ともに実際の日数を入力しているため末尾の「基準」は「1」となります。

関数を使った結果

上記の事例についてYIELD関数を使うことで、最終的な利回りは4.05%となることがわかりました。証券に設定されている利回り自体は3%となりますが、2年間の運用で実質的には4.05%の利回りが実現できるのです。

このように運用期間や償還額と併せて計算しなければ実質利回りがわからない場合があります。投資計画は実際にあなたの身に起こる収入と支出を具体的に把握して立てなければなりません。そのためにもYIELD関数を使う場合は少なくないでしょう。

投資計画を立てよう

投資計画

ここまで基本の計算式と6つの関数をみてきました。投資計画を立てる際は関数を駆使できるとシミュレーションがスムーズになります。何度か実際に使うだけで頭に入るので、あなたも計算してみてください。

ここでは投資計画を立てる際に注意すべき点を解説します。この点をふまえることで、あなたの投資活動が成功する可能性が高まるでしょう。

投資計画の重要性

はじめに何度も繰り返しているとおり投資計画は非常に重要です。これから投資を始めようとする初心者ほど「何もわからないから…」と計画を疎かにしがちですが、それでは投資に成功することは難しくなるでしょう。

最も簡易的な計画では具体的に以下の5つを中心に据えます。

  • 目標資産額
  • 目標実現までの年数
  • 利回り
  • 毎月の収入額
  • 毎月の支出額

こういった点をふまえて最終的には計画を実現できる金融商品を選択していくのです。また投資の際は資産を一つの金融商品に集中させるとリスクが高くなりすぎるため、複数の金融商品を選んでいくこととなります。

金融商品が違えば利回りも当然に異なるため、それらを総合した際の利回りに注目していきましょう。こういった点を詳しく把握するためにも、投資計画を立てることは重要なのです。

はじめに目標資産額を定める

先ほど簡易的な投資計画に設定する5つの要素をみましたが、最もはじめに設定すべきは「目標資産額」となります。目標とする資産があってこそ、それを何年間で実現するかという計画が立てられるためです。

そして目標資産額から逆算する形で、実現年数や利回りをみていきます。仮に実現に時間がかかりすぎる場合は利回りを高くする必要があり、実現するために必要な利回りが不可能な数値となる場合は年数を延ばすか投資元本を増やす必要があります。

このように投資計画を調整していくのです。

常にブラッシュアップ

投資計画は常にブラッシュアップしていく必要があります。それは投資にリスクがつきものであり、当初の想定とは違った事態が必ず現れてくるためです。そういった際に希望的観測に基づき投資計画をそのままにしておくと、後から取り返しのつかない状況となります。

それを避けるために、投資計画は月単位で確認していくのです。仮に計画通りに投資が進んでいるとしても、リスクとの兼ね合いでさらに目標実現を早めることもできます。目標実現が早くなれば、さらなる高い目標を設定することも不可能ではありません。

このように投資計画はネガティブな事態においても、ポジティブな事態においても常にブラッシュアップする必要があるのです。

まとめ

今回はエクセルを利用して投資について計算していく方法を解説しました。具体的には、投資計画を立てる際の基本の計算式と便利な6つの関数を事例とともに紹介しました。これらの計算式および関数については、実際に使用してみることで頭にしっかりと刻み込まれます。

以下は今回の記事のポイントです。

  • 複利運用の結果は「投資元本×(1+利回り)^運用年数」で計算
  • 関数を利用する際は結果として表れる「数値」の意味に着目しよう
  • 関数は具体的な事例と併せてチェックすると理解しやすい
  • 関数は実際に使用することで頭に定着する
  • 投資計画は常にブラッシュアップする

これであなたも簡単な投資計画を立てることができるようになるはずです。投資について必ずしも知識が豊富でない場合であっても、まずは自分1人で計画を立ててみましょう。そうすることで、具体的な問題点を発見することができます。

問題点が見つかることで、それを解決する手段を探すことができます。このようにして投資について常に学んでいくのです。その第一歩が簡単な投資計画を立てることとなります。今回紹介した計算式と関数を使って、あなたもすぐにでも計画を立ててみてください。

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